「赤西蠣太」より
●代表作
「不知火検校(不知火檢校)」、
「仇討膝栗毛」、
「薄桜記」、
映画&TVドラマ「座頭市」シリーズ等
映画監督、演出家、TVドラマ監督等で活躍した森一生が影響を受けた・語った・好きだった映画。
・40本+1監督
未完成交響楽 ヴィリー・フォルスト(ヴィリ・フォルスト)…音楽、伝記、歴史
アジアの嵐 フセヴォロド・プドフキン他…ボリス・バルネット。戦争、アクション、復讐。人物の動き等エイゼンシュテインよりもプドフキンの方が好きだったそうです
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※「磯の源太 抱寝の長脇差」のフィルムは現在1分の断片のみ現存
※森が中学生頃、日本の現代劇は『めそめそとすぐに泣く陰湿さが嫌いだった』そうで、自然と時代劇の方に惹かれていったそうです
逃げ行く小伝次 伊丹万作…『岩みたいなのが水から上がってきて、それを船の上で斬る』場面を見た時は ぞっとしたとか。フィルムは現在行方不明
源氏小僧出現 伊丹万作…フィルム行方不明
盤嶽の一生 山中貞雄…時代劇、風刺、旅、騙され続ける旅。フィルム行方不明
白夜の饗宴 マキノ正博(マキノ雅弘)…時代劇、恋愛、身分を超えた想い。マキノのベストとして。フィルム行方不明
若夫婦試験別居 阿部豊…フィルム行方不明
墓石が鼾する頃 二川文太郎 他…牧野省三/寿々喜多呂九平。フィルム行方不明
沢村四郎五郎(澤村四郎五郎)…出演の時代劇。当時は上記よりもあっさりしたコッチの方が好きだったとか
嵐璃徳…上に同じ
生れてはみたけれど(大人の見る繪本 生れてはみたけれど) 小津安二郎
出来ごころ 小津安二郎
滝の白糸(瀧の白糸) 溝口健二…フィルムは最長版をはじめ複数のver.が現存
暖流 吉村公三郎…総集編が現存。手帳に絵コンテを書いて分析したりしたそうです
麦秋 キング・ヴィダー
街の風景 キング・ヴィダー…シルヴィア・シドニーも好きだったそうです
嘆きの天使 ジョセフ・フォン・スタンバーグ
ゾロ(奇傑ゾロ) フレッド・ニブロ他…ダグラス・フェアバンクス
スカーレット・レター(真紅の文字) ヴィクトール・シェーストレーム(ヴィクトル・シェストレム)…リリアン・ギッシュ。ヴィルマ・バンキーと勘違いしていたそう
イントレランス D.W.グリフィス…「風と雲と砦」で今作風のスタイルを試みるも失敗したことについて
フセヴォロド・プドフキン…の雨がゆっくり降る作品
聖ペテルブルグの最後 フセヴォロド・プドフキン…雨が降る場面のあるプドフキン作品。雨の中の戦場
トゥルクシブ ヴィクトール・トゥーリン(ヴィクトル・トゥーリン)
自由を我等に ルネ・クレール…伊丹十三「お葬式」に感じたものとして
ハワード・ホークス…の映画
ジャン・ルノワール…〃
※「忠次旅日記(忠治旅日記)」は第一部「甲州殺陣篇」は1分、
第二部「信州血笑篇」と第三部「御用篇」を合わせた107分(1時間47分)現存。
版によって1時間14分、1時間34分のver.もあり(2020年7月18日)
※森の話によると「忠臣蔵 刀傷篇 復讐篇」は「未完成交響楽」の音楽が効果的に使われたそうです
渡辺邦男…が駆使した台本でカメラを遮り別の場面を挿入する場所を作る“中抜き”について
・不明
レフ・クレショフ…のサッカー?バスケットボール?の記録映画。詳細不明。情報求む
・その他俳優3名
ライオネル・バリモア
ヴィルマ・バンキー
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ロナルド・コールマン
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※太平洋戦争で徴兵され死線を潜り抜けた森。
「ある殺し屋」等に反映される戦争を体験した者が抱える苛立ち。
また徴兵時代に戦地の営倉で体験した脱走兵に待ち受けた現実。その話をいつか映画化してみたいとも語っていました
・戦後1本
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※黒澤とは彼の脚本「荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻」等で組む
・「決闘鍵屋の辻」以降6本
独裁者 チャールズ・チャップリン…戦後公開。TVで見たそうです
アフリカの女王 ジョン・ヒューストン他…ジェイムズ・エイジー
ピクニック ジョシュア・ローガン他…ジェームズ・ウォン・ハウ。「銭形平次捕物控 人肌蜘蛛」で今作風のロング・ショットに挑む
ここに泉あり 今井正…『自分ならこう撮りたい』と森流の「ここに泉あり」に挑もうと上層部に掛け合ったことがあるそうです
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・「薄桜記」以降2本
悪名シリーズ 田中徳三…森は「新悪名」を監督
・「続・座頭市物語」以降10本
ひとりの狼 池広一夫
ジュリア フレッド・ジンネマン…ジェーン・フォンダ
帰郷 ハル・アシュビー…ジェーン・フォンダ
黄昏(オン・ゴールデン・ポンド) マーク・ライデル…キャサリン・ヘプバーン&ジェーン・フォンダ
パリ、テキサス ヴィム・ヴェンダース…子供が『愛してる』と堂々と口にする場面について
エル・スール ビクトル・エリセ…上記同様、子供の自然な演技について
・本6冊
セルゲイ・エイゼンシュテイン…の映画論。中学生の頃に読み『よく分からないけどそんなに言うなら映画を見てみるか』と興味を抱くキッカケになったとか
フセヴォロド・プドフキン…の映画論。上に同じ
影画雑記 伊丹万作…森が戦地で過ごしている時に送ってくれたそうです
ベラ・バラージュ…の映画論
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※エイゼンシュテインたちの理論に対して『理論が素晴らしいからって映画が素晴らしいわけじゃないんですね。
哲学しようと思たら(おもたら)、いくらでもできるんじゃないですかな。
実際いうたら、映画なんて、可愛らしい子ども一人ぽっといるだけで画になって、それだけでもう……。
その面白さは自分でつくらないかんですよね。それを読んだやつは自分の頭のなかで画にして。
で、そうするときには、自分のいままでのいろんな経験とかがあるはずですよね。
だから、どうしてああむつかしく考えるのかなあと思うんです。』
※森の体験によれば、ベラ・バラージュの理論通りアップで顔を撮ろうとすると海外の俳優は民族代表と言わんばかりに自然に完成されているのに対し、当時の日本の白塗りで作ったような顔では人生の皺まで出せないと苦労したそうです
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