●概要
取り敢えず好きなアニメをテキトーに列挙していくページです。
実写には出来ない表現を無限に拡げていけるのがアニメーションの世界。
実写には出来ない表現を無限に拡げていけるのがアニメーションの世界。
実写(三次元)の限界を漫画(二次元)が超えたように、漫画が迎えた限界をアニメ(動く二次元)は乗り越えられる。
本来ならば「日本映画ベスト」に映画作品も片っ端からねじ込みたいところですが、とても100本には収まり切れないのでジャンル別に分けることとなりました。
それに映画をはじめTVアニメ、OVAも良作揃いで100本に絞るのは無謀極まりない試みです。
それを承知で、この3つのパターンでオススメや個人的に好きな作品を紹介していきたいと思います。
まずは前半50本。
●映画20本
火宅 川本喜八郎
イジー・トルンカに師事し、和製人形アニメーションを極限まで磨き上げた喜八郎の頂点。
霧の濃い薄野原、不意に現れる謎の女の誘い、告白、蝋燭の火が文を焼き尽くし、火の玉となってぶつかり合う男心、その間で揺れる女心。
クレしんほど最高に馬鹿馬鹿しく、最高に人と人との繋がりや家族の絆のありがたさを思い出す作品はありません。
幼い頃は気付きませんでしたが、こういうディープなクレしんは大人にならないと真の面白さが味わえないものがあるかも。
幼い頃は気付きませんでしたが、こういうディープなクレしんは大人にならないと真の面白さが味わえないものがあるかも。
特に本作は「戦国大合戦」以前に戦国時代を舞台に熱く(そしておバカな)激闘を繰り広げる。
他は「オトナ帝国の逆襲」、「ヘンダーランドの大冒険」も超面白い(高密度の面白さはコレがダントツかも知れません)。
となりのトトロ 宮崎駿
後の「マトリックス」へと続く電脳世界を作り上げた押井の最高傑作。
日本の原風景をアニメーションで再現して見せた、最も優しく、最もエネルギーに満ち溢れた作品。
とにかく走って走って走りまくる疾走振り、「ミツバチのささやき」を思い出す子供たちにしか見えない不思議な出会いと別れ。
「うる星やつら」シリーズの映画化最高作。
校舎を破壊するように登場する戦車と個性豊かな登場人物たちの狂乱、彼らを飲み込む無限に拡がる空間の恐怖と笑い。
廃墟、風鈴の誘い、突然の消失、様々な絵画やゴダール、トリュフォーといった活劇等ありとあらゆる作品にオマージュが捧げられる。とにかく夢幻のような作品です。
初見の人はTVシリーズもあらかた抑えておくとより楽しめます。
「デジモンアドベンチャー」シリーズの、細田の最高傑作。
アニメも映画も漫画も小説もやはり短編の高密度・速さ・面白さ!
特に本作は「サマーウォーズ」の前身とも言える作品。
30分という短い時間が迫る中で思わぬトラブルの連続や夏のうだるような熱さがもたらす焦りと緊張。ボロボロになってまで戦い続ける相棒、それを黙って見つめるしかない歯がゆさ。
そんな彼らに多くの魂が共感して起きる奇跡の瞬間。
「ウテナ」「デジモン」を通して研鑽を重ねてきた細田がその実力を如何なく発揮した最初の作品でもあります。
TV版のエピローグ的存在である1999年公開の劇場版「デジモンアドベンチャー」も必見。
TV版のエピローグ的存在である1999年公開の劇場版「デジモンアドベンチャー」も必見。
「時をかける少女」も面白かったです。
ジョン・フォード「三人の名付け親(3ゴッドファーザーズ)」をはじめ様々な作品にオマージュが捧げられた作品。
ホームレスたちの前に現れる“プレゼント”、めまぐるしく降りかかり過ぎ去るトラブルの連続、狂騒。
今敏ワールド入門にもオススメな優しさに満ちています。
他はサイコ・スリラー「PERFECT BLUE パーフェクト ブルー」、
クリストファー・ノーラン「インセプション」に先駆けた夢の世界「パプリカ」等。
後の「マトリックス」へと続く電脳世界を作り上げた押井の最高傑作。
「機動警察パトレイバー2」から無機質とも言える人物造詣を貫き、その造詣が電脳化や義体といった人間の機械化という形で身を結ぶ瞬間。
いえ、既に「御先祖様万々歳!」の人間離れ・現実離れした空間、「パトレイバー2」でロボットを操る兵士・兵器と化していく人々(大田は除く)の姿に押井が言わんとするものが刻まれていたのかも知れません。
本当は神山健治によるTVアニメ「STAND ALONE COMPLEX」の方が好きなんですが(そもそも完全に別アニメ)、無機質なタッチで描かれる戦い振りと壊れ振りに何故だかゾクゾクしてしまいます。
本当は神山健治によるTVアニメ「STAND ALONE COMPLEX」の方が好きなんですが(そもそも完全に別アニメ)、無機質なタッチで描かれる戦い振りと壊れ振りに何故だかゾクゾクしてしまいます。
TV版のタチコマの最期も眼からオイルが止まらねえです。
※2016年12月1日加筆
最初から最後まで絵、絵、絵で語られる作品です。
見上げれば広がり続ける青い空、星の海、白波が海を走れば波は兎になって海原を駆けて行く。後退と接近を繰り返し、結婚した後も繰り返される恋模様、失ったはずのものが描き続ける人間の抗いと気高さ。
リンさんをもっと見たいと思い漫画を読んだら、壁を両手で思い切り殴りたくなりました。
そして私は「ぴっぴら帳」や「長い道」等を片っ端から読みまくりほっこり。
※2016年9月26日加筆
新海はあまり興味がなかったのですが、この作品のシンプルな面白さには一発でハマってしまいました。糸、涙、光、紐といった様々な線が遠く離れた二人の異性を結びつけてしまうファンタジックなSF。
雄々しく走りまくり運命に抗う人間の強靭さよ!
※2019年5月15日加筆
いじめや聴覚障害といった問題を絡めた青春映画。
「たまこラブストーリー」から継続してきた“投げること”にさらなる磨きがかかり、投げられた補聴器が引き起こす因果、罪の意識に苛まれた者がよじ登る場所。
指の動き・文字による“挨拶”が埋めていく溝、パンをちぎっていた指が自転車を引き留めるまでに距離を詰めていく。
●OVA10本
ヴァイオレンス外道魔法少女ギャグアニメ。
不謹慎を寄せ集めたようなopに始まり、原作以上にブチ込まれたパロディ、無駄にリアルな関節技描写、猫の毛皮を何重にも被った主人公がぶちかます外道振り、サトリナ(佐藤利奈)のドスとゲスが極まった演技等々最高。
実験的趣向に溢れたとにかくロックな作品です。
ヴァイオレンス&ハイテンションな吸血鬼バトル。
夥しく流される血、血、血、無限に吐き出される大砲のような弾、弾、弾、死の全力疾走を繰り返す眼鏡、眼鏡、眼鏡。吸血鬼を凌駕した吸血鬼(ラスボス)と人間卒業した神父(勇者強力若本)とナチスの残党たち(主人公)が血みどろの死闘を繰り広げます。
●TVアニメ20本
名探偵ホームズ 宮崎駿/御厨恭輔 他
元々宮崎駿の映画作品として公開されたver.も含め、TVアニメ用に再編・放映された作品。
特に宮崎が手掛けた回は冒険活劇の醍醐味が詰め込まれ必見。
空、海、陸を全力で駆け抜けるスピードとパワー。
ハドソン夫人の無双回は何度でも見てしまいます。可憐な女性が拳銃ブッ放す姿は最高ですね。人間の本能に訴えかける何かに目覚めたくなります。こういうもんは子供のうちから見ないと損です。
コナン・ドイルの探偵小説「シャーロック・ホームズ」をよりシンプルに、よりパワフルにしたような内容が面白い。ホームズ入門にもオススメです。
宮崎駿はハワード・ホークスの航空映画を思い出すような豪快さとエネルギーに満ちた作品が多いですが、航空戦の興奮とスリルをこれほど楽しく描く人もいないかと思います。「紅の豚」で弾が切れて工具を投げあったりとか。
コナン・ドイルの探偵小説「シャーロック・ホームズ」をよりシンプルに、よりパワフルにしたような内容が面白い。ホームズ入門にもオススメです。
宮崎駿はハワード・ホークスの航空映画を思い出すような豪快さとエネルギーに満ちた作品が多いですが、航空戦の興奮とスリルをこれほど楽しく描く人もいないかと思います。「紅の豚」で弾が切れて工具を投げあったりとか。
出崎版「七人の侍」とも言うべき冒険活劇。団結して巨大な敵と戦うシンプルさが面白い。
米の一粒一粒、一匹一匹の表情の豊かさ、野性の本能で生きるザクリの怖さ、狡猾で残忍な一撃でネズミたちに恐怖を与えるノロイの圧倒的存在。
未だに最凶クラスのトラウマ。
背景がメチャクチャ綺麗で絶望感MAXです。
出崎の最高傑作の一つであるとにかく痛快なスペース・オペラ。
出崎作品は作画クオリティの高い作品が多いですが、本作は「あしたのジョー」シリーズすら超えた完成度。
アクションが動きに動き決まりまくる気持ちよさ、時に胸に染みる脚本・演出、どれをとっても痺れます。特に宿命の対決の末に繰り出される文字通りのこんな手にはビックリ。ヒューッ!
野沢那智の三枚目から二枚目へ瞬時に切り替える演技も最高。
人と人との因果と縁から謎を解き明かしてく怪奇幻想絵巻。
アニメーションはセル画からデジタル、CGの時代に入ってより一層進化したジャンルだと思います。
実写でCGとなるとどうしても二次元と三次元の“壁”を感じて違和感を拭えないのですが、アニメーションに次元の壁はありません。
特に本作は様々な芸術や映画的な表現が融合し、絢爛豪華な色彩が拡がる世界観、見れば見るほど虜になる妖気ただよう面白さ。
他は「~ayakashi~『化猫』」もオススメ。
演出に細田守も参加したワケが解らないけど面白いアニメの代表格。
夥しい鐘、鐘、鐘の響き、激しく火花を散らす剣、剣、剣、殻を破るように弾ける服、服、服。
決闘によって対立し結ばれる少年少女たち。剣を交え、口舌の刃で斬り合い殴り合う。
荒ぶる音楽と背景、「ベルサイユのばら」といった少女たちのディープな描写・人間関係・凄味。
可愛らしい絵柄でガンガン熱い戦いやお茶の間を氷河期にするような展開をされるとたまりませんね。ギャップ萌え(ry
「劇場版」も何だかんだ言って大好きです。男装の麗人が髪をほどき、女性として解放される瞬間。
他は「セーラームーン」も一見少女向けアニメのようでバトルが熱すぎて幼少の頃に(2000年代の再放送)における例のアレで一週間放心状態になった事を思い出しました。よくもトラウマを植え付けてくれたな本当にありがとうございます。
日常生活の描写も心地良い冒険ファンタジー。
戦士と母性の間で揺れる女用心棒、死の恐怖と重い宿命に苛まれる少年、複雑な事情を抱える追手たちとの駆け引き、紆余曲折を経て終局へ導かれる物語。
バルサやチャグムたちの交流、それを守るために唸る槍といったアクションの切れ味も抜群!
他は「東のエデン」等。
無国籍アクションアニメといえば外せないのがコレ。
何よりも狡賢く、冷酷に、盗みを楽しむド悪党・ルパン三世と愉快な仲間たちが繰り広げるハード・ボイルド。プロフェッショナルたちが見せる盗みと殺しのテクニック、初期の冷たいようでかすかな人情を滲ませる渋さ。
CLAMPの映像化作品の中でも最高の部類に入るクオリティ。
子供の頃に見て以来まったく意識していなかったのですが、いざ見返して見るとメチャクチャ面白い。
実にファンタジックな作品ですが、何といってもアクションのキレが素晴らしいです。
空から襲い掛かるカードの精をローラースケートで追跡・逃走・突風を利用してブレードで壁を登って飛び乗る!翼を得てからもトリッキーな戦法や作戦、個性豊かな仲間を得て立ち向かう面白さ。
若者の人間離れ、スタッフの命を削り取る多種多様な衣装の華麗さ。
原作のキマシタワーとかアッー!なんてレベルじゃない濃厚さをメイリンが緩和してくれなかったらNHKで放映できたか解らないくらい複雑な人物関係も面白い。
画像は「劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード」より。
もっとシリアスでハードなCLAMPも見たいという方には川尻善昭「X(エックス)」等もオススメ。この作品もスタッフが2、3人死んでそうなぶっ飛び具合。
画像は「劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード」より。
もっとシリアスでハードなCLAMPも見たいという方には川尻善昭「X(エックス)」等もオススメ。この作品もスタッフが2、3人死んでそうなぶっ飛び具合。
人は解り合えるのかというシンプルかつ複雑怪奇なテーマを際限なく追求したロボットアニメの一つの到達点。破滅的なメカデザイン、奇抜な格好の登場人物、絶望的なストーリー。
それをここまで最高にカッコ良く、最凶に狂いに狂わせて嬲り去る恐ろしさ。
特にクライマックスとなる劇場版「発動篇」は最高潮の死闘・死闘・死闘!
「MONSTER(モンスター)」もオススメ。
熱血学園バトルアニメの傑作。
見た目に惑わされてはいけません。
漢女(おとめ)たちが死闘という名の青春を繰り広げ、戦えば戦うほど「衣服」は木っ端微塵に吹き飛び、やがて心も体も裸になって叫び殴り合う熱さ。
「パンティ&ストッキング」も必見!
「パンティ&ストッキング」も必見!
COWBOY BEBOP(カウボーイビバップ) 渡辺信一郎
「ルパン三世」や「殺しの烙印」といった無国籍アクション、ジャン=ピエール・メルヴィル、ブルース・リー、松田優作の探偵もの等にリスペクトを捧げたスペース・オペラ。
「ルパン三世」や「殺しの烙印」といった無国籍アクション、ジャン=ピエール・メルヴィル、ブルース・リー、松田優作の探偵もの等にリスペクトを捧げたスペース・オペラ。
最後まで緊張の糸が切れない、独特のセリフ回しも楽しいスタイリッシュ超能力アクション。
花田少年史 小島正幸
原作ゲームからお色気と激しい&やらしいイベントをすべて取っ払ってしまったのに面白い日常アニメの良作。
5話を含めヒロユキのイケメン振りも面白い。
レミィ回が無えじゃないか&激しいイベントも見てえんだよという方は原作ゲームもオススメ。
ポピーザぱフォーマー 増田龍治/増田若子
和製フルCGアニメの怪作。
セリフを一切喋らない(最終回では驚愕の展開が待ち受けます)サイレント映画のようなアクションで魅せ、何度も死にまくるピエロのポピーをはじめ様々な登場人物たちが繰り広げる不条理な世界観、狂気100%のヴァイオレンス・サーカス。
あまりの狂い振りに「検索してはいけない言葉」のリストにも入るほど。
その狂いまくった作風が妙な中毒性を生んでいるのかも知れません。
他は毒は相変わらずですが多少マイルドになり感動?もできる「ガラクタ通りのステイン」、女ポピーことファニーが月と太陽を振り回す「Funny Pets(ファニーペッツ)」等。