伊丹万作が語った映画


「ル・ミリオン」より

●代表作

脚本無法松の一生
映画「権三と助十」
赤西蠣太
 
脚本家、映画監督、俳優、挿絵画家、エッセイスト等で活躍した伊丹万作が影響を受けた・好きだった・語った映画。

伊丹万作全集 23作品合本版」より46本+2監督+3脚本家+α

・41本+2監督
ル・ミリオン ルネ・クレール…コメディ、画家、オペレッタ的身体演技と音楽の融合。クレールについては「私に喜劇を見せてくれるただ一人の映画芸術家」とのこと
幽霊西へ行く ルネ・クレール…コメディ、ファンタジー、ホラー
罪と罰 ロベルト・ヴィーネ…犯罪ドラマ、殺人。ヴィクトル・クマラ(グリゴリ・クマーラ)の演技が強く印象に残ったそうです
鉄路の白ばら(鉄路の白薔薇) アベル・ガンス…戦争、レジスタンス
忠治旅日記シリーズ(忠次 信州血笑篇/忠次旅日記 甲州篇) 伊藤大輔/大河内傳次郎…時代劇、侠客、アクション
キック・イン(Kick In) ジョージ・フィッツモーリス…犯罪、ドラマ。同じ監督による1917年版と1922年版が存在。フィルムは1922年版が現存しているらしいですが詳細不明
ビッグ・パレード キング・ヴィダー…戦争、恋愛
ピナ・メニケリ(ピナ・メリケリ)…が出演する映画。ファンだったそうです。伊丹いわく「美しさもあれくらいまで行ば芝居などどうでもよくなってくる」とのこと
ジゴマ ヴィクトラン・ジャッセ「名探偵ポーラン」「探偵ニック・カーター」ものから続く一連の作品の一つ。連続活劇、ミステリー、犯罪。原作の小説も読みニック・カーターのファンになったそうです
影法師(江戸怪賊伝 影法師) 二川文太郎/牧野省三(マキノ省三)/阪東妻三郎…時代劇、恋愛、アクション。フィルムは全・後篇を合わせた総集篇が現存。ただしソフトによって結末部分が違う
 
「忠次旅日記(忠治旅日記)」は第一部甲州殺陣篇」は断片、第二部「信州血笑篇」は断片のみ、第三部「御用篇」は大部分が現存。
 
※伊藤は親交の深かった監督の一人。彼の下で経験を積み、作品の脚本も手掛ける
 
小笠原壱岐守 山中貞雄…はじめて見た山中作品とのこと。断片が現存
フランク・キーナン…もの。伊藤も好きだったそうです
女だけの都 ジャック・フエデ(ジャック・フェデー)…を試写室で一人寂しく見たことについて
新馬鹿大将アンドリュー(新馬鹿大将シリーズ) アンドレ・デード
獣魂(曲藝團のペツクの冒険) フランシス・フォード/ジャック・ジャッカード/ジャック・フォード(ジョン・フォード)…フランシス・フォードの演技が印象に乗っているそうです
白痴 カール・フレーリッヒ
祐天吉松 築山光吉/実川延一郎(實川延一郎)
下郎 伊藤大輔
流転 伊藤大輔
チャールズ・チャップリン
 
※山中の映画にはそれほど刺激を受けなかったそうですが映画監督としての技量、特に人物については「あの顔は山中の人よりも作品よりも上を行くものかもれない」とのこと。ちなみに「権三と助十」は山中「人情紙風船に思いを馳せたような作品となっています
 
ジョセフ・フォン・スタンバーグ「役者の演技下手はどんな監督でも治せない」として名を挙げた監督の一人
エルンスト・ルビッチ…上に同じ
乃木将軍と生涯(乃木大将一代記) 牧野省三/尾上松之助「乃木大将の一代記」とあったので多分コレ
彼を繞る五人の女(彼をめぐる五人の女) 阿部豊/岡田時彦
大義 安田憲邦/阪東妻三郎
万華地獄(万花地獄) 中島宝三/マキノ省三/片岡千恵蔵
紫頭巾(佐平次捕物帖 新釈紫頭巾) マキノ省三/沼田紅緑/市川右太衛門
赤輪 シャーウッド・マクドナルド(Sherwood MacDonald)
寒椿 畑中蓼坡/井上正夫/水谷八重子
地獄谷 吉野二郎
 
三日大名 押本七之助/片岡千恵蔵
道中秘記(道中悲記) 井上金太郎/マキノ省三/月形龍之介
忠臣蔵 牧野省三/尾上松之助…このコンビで同名作を6本以上やっている模様(忠臣蔵を扱った作品を含めると10本以上に)
曾我兄弟 ※監督不明/尾上松之助/実川延一郎(實川延一郎)
柳生の二蓋笠 高見貞衛
鬼あざみ 衣笠貞之助…フレッド・ニブロ「紅百合」の翻案。※嵐寛寿郎は出ていません
小島の春 豊田四郎…の興行のされ方に対する不満について
碁盤忠信(碁盤忠信源氏 礎) 牧野省三/尾上松之助
滝の白糸 細山喜代松
 
チャールス・レイ(Charles Ray)…もの
ターザン…もの
ブルー・バード映画
 
・不明5本
ユニバース
名馬天馬
薄馬鹿大将…恐らくハリー・レルフによるリトル・ティッチ」シリーズ
白人とアメリカ・インディアン(アパッチといった諸部族)との間に争闘が行われ…る映画
日露戦争…を実況?した映画だったそうです
 
・脚本家3名
北村小松…代表的な映画脚本家として
如月敏
 
・実演
肥後の駒下駄 実川延一郎(實川延一郎)他…後に実川延一郎を自作(刺青奇偶等)で起用することに。若い頃は「眼のよく光る綺麗な男」だったそうです
 
・曲
毛谷平吉…音楽指揮者。映画館で写真(映画) の合間に演奏をしていたのが楽しみだったそうです
 
・本4冊
雨ニモ負ケズ 宮沢賢治…妻が大ファンだったそうです
シートン動物記 アーネスト・トンプソン・シートン…妻が好きだった本の一つ
長子 中村草田男正岡子規以来・松尾芭蕉に肉薄するような気迫ある「俳句」を見たそうです
 
※伊丹はやがて映画も家庭で見れるようになるだろうと語りつつ(戦前にTV放送の実験的な放送をやっていたことを踏まえて)「映画は館(映画館)で見るのが一番おもしろいものだ」と伊丹なりの意見を述べていました
 
※ある批評家に自作のカメラポジションについて「必然性が無い」と言われたことについて「もしも必然性などというものを認めなければならぬとしたら非常に不都合なことになるのである」「なぜならば一つのカットの撮り方は無数にあるわけで、その多くの可能性の中から一つを選ぶことが芸術家に与えられた自由 なので ある。したがつて必然性を認めるということは芸術家の自由を認めないというのと同じことで、それならば映画製作に芸術家などは要らないことになつてしまう」と語っていました