「救ひを求むる人々」より
全3項目
●代表作
「牡丹燈籠」、
「にっぽん泥棒物語」、
「白い巨塔 劇場版」等
映画監督 等で活躍した山本薩夫が影響を受けた・語った・好きだった映画。
●「山本薩夫 私の映画人生」より23本+1監督
・19本
サルベーション・ハンター(救ひを求むる人々) ジョセフ・フォン・スタンバーグ…港、若者たち、売春、殴り合い。「救ひを求むる人々(救いを求むる人々)」。十数回は見たそうで、特に化粧をする場面が印象に残っているとか
ゴールドラッシュ(黄金狂時代) チャールズ・チャップリン…コメディ、飢えの恐怖、ロマンス
人生案内 ニコライ・エック…革命後、子供たち、労働・教育
アジアの嵐 フセヴォロド・プドフキン他…ボリス・バルネット。戦争、アクション、復讐
全線~古きものと新しきもの セルゲイ・エイゼンシュテイン…農民、組合、壮大な農耕スペクタクル。エイゼンシュテインについては「エイゼンシュテイン全集」でも推薦を寄せる
私が殺した男(私の殺した男) エルンスト・ルビッチ…戦争、戦後、罪の意識
飢ゆるアメリカ ウィリアム・A・ウェルマン…戦後、民衆、腐敗した社会
巴里の屋根の下 ルネ・クレール…ロマンティック・コメディ、ギャング、決闘
※「救ひを求むる人々」の原題は「サルベーション・ハンターズ(The Salvation Hunters)」
※「救ひを求むる人々」については衣笠貞之助が「十字路」でオマージュを捧げていたことについても言及
※山本は映画館に通う内にいつしか映画を見ながらコンテを書くようになっていたとか
恋の選手 牛原虚彦…フィルムは現在行方不明
彼と東京 牛原虚彦…行方不明
彼と田園 牛原虚彦…行方不明
双眸 成瀬巳喜男…助監督。行方不明
戦ふ兵隊(戦う兵隊) 亀井文夫…上層部に編集を依頼されるも断る。作品の出来に感心し、もし自分が手を加えていたら自分の人生にとんでもない恥を重ねていただろうと述べていました
谷口千吉…学生時代からの同期
※亀井とは後に「戦争と平和」を共同監督
※山本は成瀬から受けた影響が強すぎたと語り、例えば偉大な監督だと認めるも小津安二郎のロウ・アングル(ロー・アングル。低い視点)で撮っていく独自のスタイルには窮屈さを覚えたそうです。
『ネズミのごとき視線でとらえなくても、人間にはもっと自由な見方ができるのではないか』と
・戦後公開2本
怒りの葡萄 ジョン・フォード
独裁者 チャールズ・チャップリン
・「白い巨塔」以降2本
戦艦ポチョムキン セルゲイ・エイゼンシュテイン…戦後モスクワへ行った際に見る
母 フセヴォロド・プドフキン…上に同じ
・本
映画監督論(プドフキン映画創作論) フセヴォロド・プドフキン
・雑誌2冊
キネマ旬報…当時、成瀬のことを全然知らなかった山本はこの雑誌で成瀬の情報を頭に入れたそうです
赤い鳥 鈴木三重吉 他
・舞台
●「今井正映画読本」より2本
●関連記事
宮島義勇…上記等で撮影
黒澤明…「翼の凱歌」共同脚本
姫田真佐久…「戦争と人間」等を撮影
伊藤大輔…伊藤の推薦で松竹蒲田撮影所に入社。伊藤「時代劇映画の詩と真実」によれば、当時「続大岡政談 魔像解決篇」の撮影現場に見に来ていたらしいです