「戦艦ポチョムキン」より
●代表作
「或る夜の殿様」、
「狂つた一頁(狂った一頁)」、
「十字路(1928年)」、
「修羅城秘聞」シリーズ等
映画監督、俳優 等で活躍した衣笠貞之助(藤沢守/小井上春之輔/泉治郎吉)が語った・影響を受けた・好きだった映画。
●著書「わが映画の青春 日本映画史の一側面」より18本+2名
・6本+2名
カリガリ博士 ローベルト・ヴィーネ(ローベルト・ウィーネ/ロベルト・ウイーネ)他…カール・マイヤー/フリッツ・ラング。犯罪、悪夢、恐怖
チャールズ・チャップリン…の映画が一秒十八コマ(1秒18コマ。サイレント時代の平均は16コマ)で撮っているという話を聞き「狂つた一頁(狂った一頁)」で実践したそうです
ロバート・ジュリアン(ルパート・ジュリアン)…のブルー・バード(ブルーバード)映画
金色夜叉 小口忠/田中栄三…1918年、藤野秀夫 版。学生、ロマンス。俳優として出演。フィルム行方不明。フィルムの染色作業現場も見て学んだそうです
西廂記 田中栄三…歴史、ロマンス。山本嘉一、藤野秀夫。出演。フィルム行方不明。蓮の花が咲く池の場面を覚えているそうです
牧野省三…の言葉『一 筋 二 抜 三 動作(1スジ2ヌケ3ドウサ)』
北山清太郎…の漫画(漫画映画・アニメーション)。北山の作品はすべて行方不明
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※小口忠&田中「金色夜叉」について衣笠によれば、北山清太郎が障子を外し夕日の日射しを俳優の顔に反射させたのがレフ板(光を反射させる板)の元祖では?とのこと
※田中「西廂記」について、この頃には既に銀紙張りのレフが使われていたとか。
「狂つた一頁」「十字路」でもその技法を活かしたそうな
・「狂った一頁」以降1本
ヴァリエテ E.A.デュポン…エミール・ヤニングス。サーカス、恋愛、三角関係。日本では1927年公開
・「十字路」以降鑑賞10本
十月 セルゲイ・エイゼンシュテイン…革命、混乱、暴力。上に同じ
母 フセヴォロド・プドフキン…革命、労働者、母子。ヨーロッパで見る
セント・ペテルブルグの最後(聖ペテルブルクの最後) フセヴォロド・プドフキン…革命、労働者、密告。〃
全線(全線~古きものと新しきもの) セルゲイ・エイゼンシュテイン…農民、組合、壮大な農耕スペクタクル。〃
トルクシブ(トゥルクシブ) ヴィクトル・トゥリン(ヴィクトル・トゥーリン)…ドキュメンタリー、鉄道建設
サンライズ フランク・ムルナウ(F.W.ムルナウ)…『カメラが宙に浮んで、庭の上から、家の窓へと進む描写』。「十字路」も同時期・無意識に同じ技法を発見していたのではという驚きを述べていました
浪人街 三部作 マキノ正博(マキノ雅弘)他…山上伊太郎/南光明。時代劇、剣戟アクション、スリ、悪徳旗本。山上の早すぎる死を惜しんでいました
首の座 マキノ正博(マキノ雅弘)他…山上伊太郎。時代劇、ロマンス、冤罪、処刑。スクリーン・プロセス(合成・特撮技術)の先駆け。行方不明
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※「浪人街」は「第一話 美しき獲物」が8分、
「第二話 楽屋風呂 第一篇」と「楽屋風呂 解決篇」を合わせた総集編が72分現存。
「第三話 憑かれた人々」は行方不明
・不明
大事業計画 アレキサンドル・ローム
※エイゼンシュテインについてはソ連に行った際に彼の書斎に招かれたそうです。
「エイゼンシュテイン全集」にも推薦を寄せる
※伊藤は衣笠「雪之丞変化」の脚本を手掛ける
・脚本
酔いどれ菩薩 山上伊太郎…映画化を検討していた作品の一つ
・本2冊
映画・今日の敵、明日の友(今日の映画の対戦相手-明日の映画ファン) ハンス・リヒター…写真の多い本で1920年代後半の日本で当時幻だったソ連映画をアレコレ想像したそうです。恐らくヨーロッパで出された原語版の本「Filmgegner von Heute – Filmfreunde von Morgen」の題名を翻訳
世界映画史 ジョルジュ・サドゥール
※衣笠によればサドゥールとはカンヌ映画祭で知り合い、衣笠の家にも泊まり日本のフィルムライブラリーや各プロダクションを訪ね日本映画をたんねんに見てメモをとっていたそうです
・戯曲2つ
平行(平行 1923年の世相劇) ゲオルグ・カイザー
朝から夜中まで ゲオルグ・カイザー
●関連記事
森一生…「地獄門」B班監督
三隅研次…上記等で助監督
犬塚稔…「狂つた一頁」共同脚本
川端康成…上に同じ
円谷英二…上記にスタッフの一人として参加
ジョルジュ・サドゥール…親交を深めた映画評論家