●概要
「名探偵ホームズ」は、1980年代にテレコム・アニメーションフィルムが制作した傑作。
アーサー・コナン・ドイルの原作「シャーロック・ホームズ」シリーズを換骨奪胎し、イタリア放送協会と東京ムービー(トムス・エンタテインメント)が協力、テレコムが面白可笑しく練り上げた冒険活劇。
全編愉快なやり取りでほのぼの、殺しも全然無し、登場人物からして全員犬になっていたり、そんなことが気にならなくなるくらい全力疾走な面白さ。
TVシリーズとして再開された際に最初の6本の内不完全なものをテレコムが完成させたようです。他の20話は御厨恭輔が監督として製作。
クオリティ的にはテレコム回がブッチ切りですが、その他にも味わい深い面子が揃い踏み。
●作画監督12名
近藤喜文
3話。ホームズ
4話。ハドソン夫人
ホームズたちをはじめ登場人物は愛嬌たっぷりですが、決める時は決めるカッコ良さ。
特に“誘拐”回はモリアーティ一味が凄く良い。
ハドソン夫人も素敵だこと。
友永和秀(友永秀和)
3話から原画に参加。
タイガープロ、OHプロ、テレコムで活躍してきたアクションアニメーター。
金田伊功とは互いの実力を認め合った仲。
大塚フォロワーでもあり彼を髣髴とさせる動作とスーパーロボット物の原画で鍛えて来たダイナミックな動きを得意とする。
ド派手な格闘に爆走・爆発・野郎の動きを描かせたら最強。
宮崎作品では「ルパン三世 カリオストロの城」「未来少年コナン」等の原画で大活躍。
今作ではハドソン夫人無双回を担当。
ホームズも命懸けで飛行機に食らい付く様がカッコイイのですが、それを圧倒的に上回るハドソン夫人の女傑振り。
豪快かつ美しい作画で繰り広げられる救出劇、ユニークな空中戦、爆走・追跡・狙撃!
後の野上冴子である(中の人的に)。
1話
9話
4話から原画として参加。
OHプロダクション出身。
様々なスタジオを渡り歩く腕利き。テレコム時代は主力の一人として活躍。
今回はぎゃろっぷを代表してTV版の1話を飾ります。
持ち味の柔らかみのあるタッチでホームズたちのユーモアを惹きたてる。
1話における馬車とのジリジリしたやり取りや海賊船とのユニークかつ壮絶な戦い、9話のテーブルクロスの引っ張り合い等々。
他共同総作画監督「キテレツ大百科」、作画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、「ルパン三世 2nd」等。
北原がすべて担当したであろう22話はハドソン夫人のパイロット姿、モリアーティの悪党振りが良い。
20話のみ。北原と共同
宮崎が育てた腕利きの一人。
田中保
田中平八郎
6話
荒木伸吾の絵コンテ回を担当した謎の多い作画マン。
他「ルパン三世 PARTⅢ」等。
柳野龍男
6話のみ。田中と共同
古田詔治(ふるたしょうじ)
13話。北原と共同
絵柄が似ているだけで何故か丹内司に飛び火する模様。
どう見てもタッチが全然違うだろ!いい加減にしろっ!!
今回の作画はモリーアーティたちの変顔祭りでハジケッ振りが凄かったです。
他「私のあしながおじさん」等。
●その他絵コンテ1名
宮崎駿(照樹務/秋津三朗)
10話絵コンテ及び演出
今作でもやたら飯が美味そうだったり、メカ描写が物凄い緻密だったり、部屋の汚さがリアルすぎたり、道路と建物粉砕しながら暴走したり、自転車で猛然と追いかけて飛び乗ったり、おしとやかな女性が突然昔の血が騒いじゃって斧かついで大立ち回りでやりたい放題でした(褒め言葉)。
●その他原画陣14名一覧
大塚康生(鈴木一)
植田均(小物デザイン&作画「カードキャプターさくら」、作画「太陽の勇者ファイバード」等)、
浦谷千恵(「ACE COMBAT 04 shattered skies」「BLACK LAGOON」等)、
遠藤正明(「MASTERキートン」、原画「ラピュタ」等)、
佐藤雄三(「YAWARA(ヤワラ)」、監督「アカギ」等)、
清水洋(「MONSTER(モンスター)」「ミチコとハッチン」等)、
●その他動画4名
宮崎なぎさ(監督「D.C. ~ダ・カーポ~」、共同監督「シスター・プリンセスRePure」等)、
うつのみや理(宇都宮智(「御先祖様万々歳!」「ノエイン もうひとりの君へ」等)。