●概要
そんな妄想を抱いてしまうほど、「ライディーン」の作画陣は実力者揃い。
●作画監督7名
安彦良和
絵柄は本作から既に洗練されたものがあります。
安彦はこの頃から最初の15話分をブッ続けで作画するという意味不明なことをやっており、それが可能な余裕ある制作環境でもあったのでしょう。
ちなみに富野や「ゼロテスター」の監督を務めた高橋良輔が絵コンテに参加した「ろぼっ子ピートン」でも14話分連続作画とかやっています。
「ガンダム」は過酷な制作現場で死力を尽くしブッ倒れ生死の境を彷徨うことに。
坂本三郎
後に80年代前半の富野作品を支える重要な作監。
漫画家時代に培った技量とスタミナからか彼も安彦ほどじゃありませんが4話分連続作画を2回こなす。
特に「ボルテスV」で見せた女の業、ロボットの欠損振り、凄惨さは「ザンボツト3」といった一連の富野作品に通じるものがあります。
「コン・バトラーV」で活躍し全盛期だった金山明博とのコンビも抜群です。
しかし坂本も相性があるのか「イデオン」ではハズレ作画になる回が多かったのも残念です。
原画との相性が悪かったのでしょうか。
艦長なのに白兵戦最強の男が単騎で殴り込んで行ったり、破廉恥な男が凄腕の狙撃をする回とか好きなだけに。
36話・43話辺りからようやくウマが合った感じになりましたがイデが発動(打ち切り)してしまい残念。
谷口守泰
今作はアニメスタジオ、スタジオカム時代に作画(原画)として安彦の下で11話から活躍。
谷口のチームには村中博美といった後のアニメアールでも活躍するメンバーも参加。
高橋作品でも大活躍していくことになる彼ですが、富野作品ではアールを率い「イデオン」に参加。
新人育成も兼ね本人はあまり描かなかったそうですが、原画から作画まで細目に参加しどんどん凄味を増していきました。
しかし「Vガンダム」は相性が悪かったのかどうしてああなった。
他は長浜ロマンシリーズ、高橋「装甲騎兵ボトムズ」「蒼き流星SPTレイズナー」等。
塩山紀生(塩山憲武)
25話。眼の描き方から既に片鱗が
「ダイターン3」の最終回で壮絶なクライマックスを描いた塩山。
作画(原画)としては16話から参加。ただ安彦の絵柄との相性はあまり良くなかったみたいです。
「ザンボット3」のオープニング原画も安彦と共に描いたみたいです。
佐々門信芳(全盛期)
18話
「ザンボット3」最終回23話でも真価を発揮し脂が乗っていた佐々門。
安彦との相性の良さもダントツ。今作は1話から作画(原画?)チームの一人として活躍。
特に23話の凝った殺陣と戦闘描写が輝る回もオススメ。後の富野諸作品でも味わえるアクションが垣間見れます。
作画マンとしてのスタミナはモンスターレベルで家を建てるほど。佐々門の頑張りでアニメーターの過労死を何十人阻止できたことか…。
正し1980年代後半から画力はガバガバになる模様。
特に「コン・バトラーV」の富野絵コンテ回は普段おとなしいヒロイン南原ちづるが突撃少女と化しあんなことやこんなことをやり可愛さがグレードアップ。
「ボルテスV」は岡めぐみの太ももとオッサンのカッコ良さ。
中村一夫(滝川一夫)
21話のみ参加。戦闘時のゴリゴリの力強い線画が特徴
メイン作画を手掛けた「ゼロテスター」で39話分を連続で作画した超人の一人。
富野の絵コンテ作画もこの時から経験。
「ガンダム」で安彦が倒れるのを7話遅らせたのは彼のお陰と言っても過言じゃないでしょう。
そんな中村も「ガンダム」では苦戦したのか回によってムラがありました。
野崎恒伸(野崎恒仲)
17話。敵もギャグ調
謎の多い作監。野崎だけは他の富野作品には参加していないみたいです。
というより、アニメーターとしての活躍そのものもあまり無い模様。
●その他作画(原画)6名
進藤満尾(後に佐々門、河合静男らとともに邪神と化し、作画冥界三巨頭として視聴者を苦しめる)、