パトリシオ・グスマンのオールタイムベスト

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「私はアメリカの息子です...そして私は彼女に借りがある」より

全5項目

●代表作

「チリの闘い」シリーズ、
「光のノスタルジア
 
映画監督、脚本家、編集技師、キャメラマン、俳優等で活躍するパトリシオ・グスマンが影響を受けた・語った・好きな映画。

「closeupfilmcentre.com」「VERTIGO | Nostalgia for the Light - Close-Up Film Centre」で語った映画15本+2監督

ネリーナ・モーリス(Nerina Moris)によるインタビュー
 
・ドキュメンタリー5本
燃えたぎる時 フェルナンド・E・ソラナス(ピノ・ソラナス)他…オクタビオ・ヘティノ。戦争、アルゼンチンの歴史、革命。「La hora de los hornos(The Hour of the Furnaces)」
メキシコ、凍結した革命 ライムンド・グレイザー(レイムンド・グレイザー)メキシコ革命、民衆・社会。「Mexico, la revolucion congelada」。ライムンド・グレイザー(レイムンド・グレイザー/Raymundo Gleyzer)
私はアメリカの息子です...そして私は彼女に借りがある サンティアゴ・アルバレス…政治問題、フィデル・カストロのチリ訪問。1972年~1975年制作。「De America soy hijo... y a ella me debo」
セロ・ペラド号(Cerro Pelado) サンティアゴ・アルバレス…オリンピック、キューバ選手団と船、政治
ハリケーン(サイクロン) サンティアゴ・アルバレスキューバの自然災害、報道、実験的演出。「ハリケーン(サイクロン/Ciclón)」
 
フェルナンド・E・ソラナスはピノ・ソラナス(Pino Solanas)名義でも呼ばれる
・その他2本
約束の土地 ミゲル・リッティン(ミゲール・リッティン)…チリ農民とキューバ、革命、旅。「La Tierra Prometida」
低開発の記憶 -メモリアス- トマス・グティエレス・アレア…革命直後、混乱、殺人、社会問題
 
・国際的に配給されたチリの映画として4本
長い旅 パトリシオ・カウレン…子供たち、貧困、チリ社会。「Largo viaje/Largo viaja」。パトリシオ・カウレン(Patricio Kaulen)
3匹の悲しい虎 ラウル・ルイス(ラウール・ルイス)…都会、セールスマン、酒場。「Tres tristes tigres」
ナウエルトロのジャッカル ミゲル・リッティン(ミゲール・リッティン)…伝記、犯罪、農民。「El Chacal de Nahueltoro」
祈るだけでは不十分 アルド・フランシア…司祭、貧困、政治。「Ya no basta con rezar」。アルド・フランシア(Aldo Francia)
ちなみにラウル・ルイス「3匹の悲しい虎(Tres tristes tigres)」のフランス語題は「Trois tristes tigres」
この影響なのか原題のチリスペイン語「Tres(三、3)」をフランス語の「Tres(très/とても)」と勘違いして「とても悲しい虎」と勘違いしてしまった人もいたとかいないとか
 
・復元された古典として2本
死の軽騎兵 ペドロ・シエナ…伝記、歴史、レコンキスタ(再征服)、ゲリラ。「El Húsar de la Muerte」。ペドロ・シエナ(Pedro Sienna)
肉体と血 ラファエル・サンチェス(ラファエル・C・サンチェス)…宗教、家族、哲学。「El Cuerpo y la sangre」。ラファエル・サンチェス(Rafael Sánchez)またはラファエル・C・サンチェス(Rafael C. Sánchez)
 
・その他2監督
フレデリック・ワイズマン…1970年代のワイズマンたちが撮った「ダイレクト・シネマ」とチリのドキュメンタリー作家たちの共通点について
ホセ・ルイス・ボラウ(José Luis Borau)…映画監督、脚本家、映画アカデミー会長 等。第2の師として
 
・本
映画のモンタージュ、動きの芸術 ラファエル・サンチェス(ラファエル・C・サンチェス)「montaje cinematografico movimiento」
 
グスマンにとってサンチェスは第1の師のような存在だそうで、
彼の本でレフ・クレショフやセルゲイ・エイゼンシュテイン、フセヴォロド・プドフキンといったロシア映画の古典、
エイゼンシュテインのモンタージュ理論
イタリアのネオレアリズモ等について学んだそうです
「チリの闘い」以降鑑賞2本
イギリス…のフリー・シネマ。いわく『フランスのヌーヴェルヴァーグ以上の影響を受けた』とのこと
SHOAH ショア クロード・ランズマン…戦時下、ホロコースト、列車
私はアメリカの息子です...そして私は彼女に借りがある
殺人捜査 エリオ・ペトリ
赤い聖詩(赤い聖歌) ミクローシュ・ヤンチョー(ヤンチョー・ミクローシュ)「Még kér a nép/Red Psalm」
グラウベル・ローシャ…の映画

「Sight&Sound」「映画監督が選ぶオールタイム・ベスト 2012(The Greatest Films of All Time 2012 / All voters)」より10本

燃えたぎる時 フェルナンド・E・ソラナス(ピノ・ソラナス)他…オクタビオ・ヘティノ
 
「チリの闘い」以降
ボクシング・ジム フレデリック・ワイズマン
100人の子供たちが列車を待っている イグナシオ・アグエロ
ぼくの好きな先生 ニコラ・フィリベール
グリューニンガー・フォール リシャール・ダンド(リシャール・ディンド)「Grüningers Fall」。リシャール・ダンド(リシャール・ディンド/Richard Dindo)
アレクサンドルの墓-最後のボルシェヴィキ クリス・マルケル…マルケルは「チリの闘い」の製作に協力
モダン・ライフ レイモン・ドゥパルドン
マザー・ダオ、亀のように :ヴィンセント・モニケンダム他「Moeder Dao, de schildpadgelijkende」。ヴィンセント・モニケンダム(ヴィンセント・モニッケンダム/Vincent Monnikendam)
S21 クメール・ルージュの虐殺者たち リティ・パニュ
SHOAH ショア クロード・ランズマン

「idfa.nl」Top 10 van Patricio Guzmánより10本

2022年5月15日追加
2019年にアムステルダム映画祭(Filmfestival Amsterdam/IDFA)」で選んだ作品
詳細なリスト:
アルカナ クリストバル・ビセンテ・クルス「Arcana」。クリストバル・ビセンテ・クルス(Cristobal Vicente Cruz)
アカス(エーテル) ベル・ヴィスワナータン「Aakaash(Ether)」。ベル・ヴィスワナータン(Velu Viswanadhan)
イリュージョニスト アラン・カヴァリエ「L'illusionniste(The Illusionist)」。アラン・カヴァリエ(Alain Cavalier)
ラ・ジュテ クリス・マルケル
タズママートに住む ダヴィ・ジルベルファイン?「Vivre à Tazmamart(Living in Tazmamart)」。ダヴィ・ジルベルファイン?(Davy Zylberfajn)
マザー・ダオ、亀のように :ヴィンセント・モニケンダム他
シュガー・カーテン カミラ・グスマン・ウルス(カミーラ・グスマン・ウルスア)「El telón de azúcar(The Sugar Curtain)」。カミラ・グスマン・ウルスCamila Guzmán Urzúa)
ト長調の旅 ゲオルギ・ラザレフスキ「Voyage en sol majeur(Travel in G Major)」。ゲオルギ・ラザレフスキ(Georgi Lazarevski)
残された瞬間(Y イン・ヴィボルグ) ピア・アンデル「Hetket jotka jäivät(Y in Vyborg)」。ピア・アンデル(Pia Andell)
 
・他
アルヴォ・ペルト 1つのフーガへの24の前奏曲 ドリアン・スピン「Arvo Pärt 24 prelüüdi ühele fuugale(Arvo Pärt: 24 Preludes for a Fugue)」。ドリアン・スピン(Dorian Supin)

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クリス・マルケル「チリの闘い」制作に協力