個人的・2000年代邦画ベスト10

●概要

本当今更なんですが、20世紀のベストとなると、やっぱり00年代も好きな映画を挙げたくなりまして。
アニメ映画も入れるなら宮崎駿千と千尋の神隠しをベスト5くらいに入れたいですが、今回は実写映画10本に厳選。

●2000年代10本

誰も知らない 是枝裕和


 母親が失踪した家庭で、力強く生きる子供たちを描いたサバイバル映画。

人によっては歩いても 歩いても「空気人形」、製作にまわった「ゆれる」「エンディグノート」の方が良いよという人もいるでしょう。
ただ、私はこの冒頭から異様な光景を繰り返す本作の緊張に最も惹かれるのです。

揺れる電車、穴の開いた服、ボロボロの爪、ボサボサの髪、キャリーバックを大事そうにさする真意、窓にぼやけてしか映らない謎の女性の存在。

子供たちが“明日”を見つける瞬間・・・眼に光が宿るんですよ。精気といいますか。


運命じゃない人 内田けんじ

最初見た時は余りの物足りなさに惹かれなかったのですが、2回目はそのフィルム・ノワール的黒のコントラスト、何も変わらないからこその安心感に魅せられていたりします。
2、3度見て本当の面白さが解る映画ではないでしょうか。

現金に体を張れレザボア・ドッグス」「恋する惑星」「天使の涙といったジグソーパズル形式の流れを組む傑作です。ヤクザのボスが理想の上司すぎて辛い。


下妻物語 中島哲也

嫌われ松子の一生とか「告白」はどうも肌に合わなかったんですが、このコメディはかなり好きです。

冒頭からブツ飛ばすアクション、嘘で厚化粧した化けの皮をひっぺがす瞬間の美しさ、真っ白なドレスに“色”がつき友のために咆哮する大芝居!
でもあのはっちゃけまくったDVDパッケージは人を避けているとしか思えません(私がこの映画を見たいと思ったのは映画ポスターのフワフワした青空に惹かれたからなのです)。


容疑者Xの献身 西谷弘


 ガリレオ劇場版。ドラマの延長とは思えない完成度を誇るサスペンス映画。
冒頭5分のスタートダッシュから引き込まれますし、パッチギ!等で実力を振るった山本英夫キャメラワークも凄い。

アマルフィも嫌いじゃない。


南極料理人 沖田修一

とにかく、飯が食いたくなる映画です。

極寒の地で命懸けで働くプロフェッショナルたち。

そんな男たちのエネルギー源となる美味い飯を作る料理人。黒沢清の傑作群でも知られる芦澤明子の撮影も素晴らしい。


シムソンズ 佐藤祐市

 カーリングにかける少女たちの青春を描いた、70年代風スポーツ物の懐かしさに溢れた作品。
この映画のおかげでキサラギを見直し再評価する事ができました。

キサラギもアイドル(偶像)・憧れ・他に何も無い人々にとっての心の拠り所・嘘と真実といった共通する要素が多い映画。

閉鎖空間の緊張キサラギか、人間の善良さを信じ抜く解放的なシムソンズか。


転々 三木聡


 亀は意外と速く泳ぐも楽しい映画でしたが、この映画もブラックなやり取りでジワジワと腹筋をえぐってくるロードムービー
ところどころに犯罪の匂いが転がります。

ゆれる 西川美和/是枝裕和

ブラック・コメディ蛇イチゴでも楽しませてもらいましたが、この映画は橋が揺れ始めると共に人々の心も揺れて揺れて揺れまくるサスペンス。
とにかく“橋”の映画です。

おくりびと 滝田洋二郎


本木雅弘演じる主人公が黙々と父親に“触れていく”場面が良いじゃないですか。
絶縁していたけど、いざ死んで見ると悔しくて涙を流してしまう・・・そんなところが良い。
緒方拳にしか見えなくなった山崎努演じる社長さんが良いじゃないですか
。広末良子のお腹に顔を引っ付けて泣きじゃくる本木さんが良いじゃないですか。おっぱいに顔をうずめ(ry
いかに人間は死と向き合うのか。死者への安らかな葬送曲を送る物語。

A2 森達也
 山田和也の「プージェー」同様、世紀をまたいだ映画。
20世紀の「A」、そして21世紀の「A2」
20世紀と21世紀をまたいでオウム心理教に迫ったドキュメンタリー映画
・その他

贖罪 黒沢清

アカルイミライ 黒沢清

ぼくらのウォーゲーム 細田守
パッチギ! 井筒和幸
火火 高橋伴明
メゾン・ド・ヒミコ 犬童一心
花とアリス 岩井俊二
県庁の星 西谷弘
交渉人真下正義 本広克行
それでも僕はやってない 周防正行


ラザロ 井土紀州(井上紀州)

犬猫 井口奈己
愛のむきだし 園子温

クローズ 三池崇史

父と暮らせば 黒木和雄…見るなら原子力戦争」とセットで
カナリア 塩田明彦
恋するトマト 南部英夫

ありがとう-奈緒ちゃん 伊勢真一

ワイルド・フラワーズ 小松隆志 

 

チャイルドロックさん、重ね重ね誠にありがとうございました。