ロベール・ブレッソンが影響を受けた映画

「アラン(ロバート・フラハティ)より

全5項目

●代表作

「抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より」
 
映画監督、脚本家 等で活躍したロベール・ブレッソンが影響を受けた・語った・好きだった映画。
「抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より」
別題「抵抗 死刑囚は逃げた、あるいは風は己の望む所に吹く」

カイエ・デュ・シネマ(Cahiers du Cinema)」「私のオールタイム・ベスト 1952(10 best film list from 1952/The best films of our life)」より7本

n°12=1952年5月号(Mai52/May)
目次未掲載(45p、71pにあり)
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黄金狂時代 チャールズ・チャップリン…コメディ、山岳、雪、飢えの恐怖、ロマンス
街の灯 チャールズ・チャップリン…コメディ、恋愛、視覚障害、ボクシング
戦艦ポチョムキン セルゲイ・エイゼンシュテイン…戦争・ロシア革命、アクション、虐殺
逢びき デヴィッド・リーン他…ロバート・クラスカー。恋愛、不倫、列車
自転車泥棒 ヴィットリオ・デ・シーカ…戦後、父子、犯罪
アラン ロバート・フラハティ(ロバート・J・フラハティ)…ドキュメンタリー、海、自然の荒々しき光景
ルイジアナ物語 ロバート・フラハティ…ドキュメンタリー、自然・冒険、油田

ドキュメンタリー「現代の映画作家(Cinéastes de notre temps)シリーズ」より「ロベール・ブレッソン(Robert Bresson - Ni vu, ni connu)」より2本

・いずれも「抵抗」以降
007 ゴールドフィンガー ガイ・ハミルトン他…テッド・ムーア。冒頭の“瞳に映る”場面を絶賛。スパイ・アクション、秘密兵器、放射能
オルフェの遺言 ジャン・コクトー他…フランソワ・トリュフォー。ファンタジー、ユーモア、詩人
 
コクトーはブローニュの森の貴婦人たちでセリフ監修も務める

「シネマトグラフ覚書」より2本

東京上空三十秒 マーヴィン・ルロイ…脚本:ダルトン・トランボ。撮影ハロルド・ロッソン/ロバート・サーティース。太平洋戦争、爆撃機、ドーリットル空襲時に記録されたガンカメラ映像も引用しつつ再現される爆撃
裁かるゝジャンヌ(裁かるるジャンヌ) カール・テオドア・ドライヤー…ルネ・ファルコネッティが出演するドライヤー映画。感傷を誘うような涙とクローズ・アップについて。歴史、伝記、裁判、剃られる頭髪、群衆、虐殺
 
裁かるゝジャンヌ(裁かるるジャンヌ)」に否定的だったブレッソンジャンヌ・ダルク裁判でより抑制されたジャンヌを描く。
ただブレッソンが見た版はどのver.か不明で恐らくオリジナル版が再発見されるまで流通していたものの一つ。
オリジナル版が1981年に再発見され1984年に無編集の第一版であることが判明するのはブレッソンが1983年ラルジャンで引退した後
 
シネマトグラフについて『軍事技術、一つの戦闘を準備するように一本の映画を準備する』
そんなブレッソンは戦時下の脱獄「抵抗」、円卓の騎士ランスロットが殺し合う湖のランスロ、戦後ジャンヌ・ダルク裁判等で彼なりの闘争を描く
 
・小説家2名
マルセル・プルースト…をはじめとする諸作家の言葉を引用
フョードル・ドストエフスキー
 
・哲学者2名
シャルル=ルイ・ド・モンテスキュー
ジャン=ジャック・ルソー
 
・詩人2名
ジョン・ミルトン
シャルル・ボードレール
 
・随筆
エセー(随想録) ミシェル・ド・モンテーニュ
 
・戯曲
ベレニス ジャン・ラシーヌ
 
・音楽家2名
J.S.バッハ(ヨハン・セバスティアン・バッハ)…の言葉
ヘンリー・パーセル
 
・彫刻2つ
洗礼者聖ヨハネ(洗礼者ヨハネ像) ドナテルロ(ドナテッロ)
ミロのビーナス(ミロのヴィーナス) 伝:アンティオキアのアレクサンドロス他
 
・画家8名
頸飾りの若い女(首飾りの若い女/真珠の首飾りの女) ヨハネス・フェルメール
ポンピエ絵画(アール・ポンピエ)…19世紀フランスのアカデミズム絵画(アカデミック美術)を指す言葉
パリ攻囲(パリ包囲) エルネスト・メソニエ(エルネスト・メッソニエ)プロイセンとフランスが争う1870年~1871年普仏戦争におけるパリ包囲戦を描いた画家の一人
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー(ウィリアム・アドルフ・ブグロー)…ポンピエ画家の一人。ちなみにブグローも普仏戦争を経験
オーギュスト・ルノワール…のアンリ・マティス宛の手紙
モナ・リザ(モナリザ) レオナルド・ダ・ヴィンチ
ポール・セザンヌ…といった画家の言葉
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー
 
・その他
手帖 レオナルド…レオナルド・ダ・ヴィンチ?

作家主義―映画の父たちに聞く」より●本

ジャン=リュック・ゴダール、ミシェル・ドラエによるインタビュー
妻のミレーヌ・ブレッソンによる編「彼自身によるロベール・ブレッソン: インタビュー 1943–1983」にも一部短縮して再録
 
・小説3本
白痴 フョードル・ドストエフスキー…読み直して騾馬(ラバ)の件の凄さに気づいたとか
囚人車の騎士についての写本(ランスロまたは荷車の騎士) クレティアン・ド・トロワ…今作を元に湖のランスロを監督
歓喜(よろこび) ジョルジュ・ベルナノス…ゴダールがバルタザールどこへ行くで想起したという指摘に対して。ブレッソンは最後の方だけ読んでいたとか
 
ドストエフスキーについては「スリ(掏摸)」罪と罰を意識したような流れ、原作として「やさしい女」「白夜」等を映画化
 
ベルナノスについては田舎司祭の日記や「新ムシェット物語(少女ムシェット)」を映画化

「彼自身によるロベール・ブレッソンより2本

作家主義―映画の父たちに聞く」で受けたインタビューも一部短縮して再録
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オルフェの遺言

●関連記事
J.M.G.ル・クレジオ「シネマトグラフ覚書」に寄稿(J=M・G・ル・クレジオ表記)