ホルヘ・ルイス・ボルヘスが語った映画

「暗黒街(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)より

全4項目

●代表作

小説「伝奇集」
共著「幻獣辞典」マルガリータ・ゲレロ、
映画共同脚本「侵入」ウーゴ・サンチャゴ/アドルフォ・ビオイ=カサーレス 等
 
小説家、詩人、脚本家 等で活躍したホルヘ・ルイス・ボルヘス(J.L. ボルヘス)が語った・影響を受けた・好きだった映画。

エッセイ論議で語った主な映画25本

2013年平凡社ライブラリーボルヘス・エッセイ集」にも論議 一九三二年」-「物語の技法と話術(語りの技法と魔術)」等が一部収録
|
カラマゾフの兄弟(カラマーゾフの兄弟) フョードル・オツェプ(フョードル・オツェップ)他…エリッヒ・エンゲル。1931年。ドイツ映画。原作:フョードル・ドストエフスキー。犯罪、殺人、家族
紐育の波止場 ジョゼフ・フォン・スタンーバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)…労働者、恋愛、犯罪
暗黒街(アンダーワールド) ジョゼフ・フォン・スタンーバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)他…ベン・ヘクト/ハワード・ホークス。ギャング、犯罪、アクション、ロマンス
非常線(ドラグネット) ジョゼフ・フォン・スタンーバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)…ギャング、警察、麻薬。フィルムは現在行方不明
ハレルヤ キング・ヴィダー…ミュージカル、オールアフリカ系俳優、歌とダンス
街の光景 キング・ヴィダー…ほぼ家の玄関前で繰り広げられる日常、ロマンス、殺人
群衆(クラウド) キング・ヴィダー…群衆スペクタクル、恋愛、家族
黄金狂時代 チャールズ・チャップリン…コメディ、飢えの恐怖、ロマンス
ザ・ショウ・ダウン(ショウ・ダウン) ヴィクトル・シェルジンガー(/ヴィクター・シュレジンガー/ヴィクター・シャーツィンガー/ヴィクター・シェルツィンゲル)…1928年。「The Showdown」。石油、権利争い、ロマンス
宿命(間諜X27) ジョゼフ・フォン・スタンーバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)…スパイ、スリラー、戦争
 
「暗黒街(アンダーワールド)」
スペイン語「暗黒街の掟(裏世界の法/La ley del hampa)」
 
間諜X27 ジョセフ・フォン・スタンバーグ
マレーネ・ディートリッヒ。
英題Dishonored(不名誉 等)」
スペイン語「Fatalidad(宿命、運命 等)」
 
唇の罪 ジョン・クロムウェル
命を賭ける男 ジョン・クロムウェル
ブロードウェイ・メロディー ハリー・ボーモント
フランク・ボーゼージ…フランク・ボーゼージ(フランク・ボーゼイギ/フランク・ボザージ)
ハリー・ラングドン
バスター・キートン
イワン雷帝 セルゲイ・エイゼンシュテイン…卓抜な暴力の例として
戦艦ポチョムキン セルゲイ・エイゼンシュテイン
十月 セルゲイ・エイゼンシュテイン
ジョーン・クロフォード
クレージーキャッツ(クレージー・キャッツ)「Crazy Cat」。不明。オットー・メスマー&パット・サリヴァン(パット・サリバン/Pat Sullivan)「ネコのフィリックス(フィリックス・ザ・キャット)」
ビンホ…不明
ロッコ ジョゼフ・フォン・スタンーバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)ボルヘス的に好感は持てるがサイレント時代ほどは惹かれなかったようです
街の灯 チャールズ・チャップリン…批判的。「トロイのヘレンの私生活(トロイ情史)」の複製に思えたとか
トロイのヘレンの私生活(トロイ情史) アレクサンダー・コルダ(アレグサンダー・コルダ)
ビリー・ザ・キッド キング・ヴィダー…批判的

「記憶の図書館」で語られた主な映画20本

オスバルド・フェラーリとの対談。
ボルヘスが過去に雑誌で批評した作品についてもかなり触れていました
|
救いを求むる人々 ジョセフ・フォン・スターンバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)
暗黒街(アンダーワールド) ジョセフ・フォン・スターンバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)
非常線(ドラグネット) ジョセフ・フォン・スターンバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)
ストリート(ストリート・シーン/街の風景) キング・ヴィダー
エルンスト・ルビッチ…やヴィダー、スタンバーグといった監督たちの登場から様々なアングルで撮られるようになったことについて
エリッヒ・フォン・シュトロハイム
ピョートル大帝 ディミトリー・ブコエツキー(ディミトリ・ブコウスキー)「Peter der Große」。1922年。サイレント映画エミール・ヤニングスがロシアのツァーリ(皇帝)を演じ一言だけ喋る場面がある映画
アンナ・クリスティ クラレンス・ブラウン…トーキー。『グレタ・ガルボが喋る』という謳い文句について
紐育の波止場 ジョセフ・フォン・スターンバーグ(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)
類人猿か猿が女性を襲う顔がスクリーン一杯のクローズ・アップで映るサイレント映画…マーシャル・ニーラン/ヘンリー・R・サイモンズ「烏人獣人」?ハリー・O・ホワイト「ロスト・ワールド」?トーキー時代ならキングコング
 
スタンバーグの映画についてはフリオ・マリナ・イ・ベディアにもススメたとか
 
カラマーゾフの兄弟(カラマゾフの兄弟) フョードル・オツェプ(フョードル・オツェップ)他
十月 セルゲイ・エイゼンシュテイン
戦艦ポチョムキン セルゲイ・エイゼンシュテイン…軍人側の死がほとんど描写されないことについて批判的でした。一応反乱の際に水兵の死者と一般市民の死は描写される
ジャン・コクトー…の『あらゆる文体は一連の癖(ティック)』という言葉
 
ボルヘスカラマーゾフの兄弟、チャールズ・チャップリン「街の灯」、スタンバーグ「モロッコを一緒に批評した文は論議にも掲載
 
「伝奇集」以降
地上の囚人(地球の囚人) マリオ・ソフィチ(マリオ・ソッフィーチ/マリオ・ソッフィチ)
ラ・フガ ルイス・サスラフスキー(Luis Saslavsky)「La fuga」
駅馬車 ジョン・フォード…西部劇
市民ケーン オーソン・ウェルズ他…ロバート・ワイズ。『以前ふさわしくない記事を書いた』ことについて
イワン雷帝 セルゲイ・エイゼンシュテイン
真昼の決闘 フレッド・ジンネマン他…スタンリー・クレイマー。西部劇
 
地上の囚人(地球の囚人) マリオ・ソフィチ(マリオ・ソッフィーチ/マリオ・ソッフィチ)
「Prisioneros de la tierra」
マリオ・ソッフィーチ(Mario Soffici)。
脚本:ウリセス・ペティデムラット(Ulyses Petit de Murat)
ボルヘスも述べていましたが雑誌の方針で割と自由に書かせてもらった批評当時1930年代、対談当時1984年~1986年に当時を振り返る心境の変化 等に注意
 
・舞台
マクベス オーソン・ウェルズ…ある有名なセリフをあえて省略したことについて
 
・一緒に映画を見に行った作家仲間・友人たち
マヌエル・ペイロウ(Manuel Peyrou)
ハイデー・ランヘ?Heidi Rangel?Hayde Ranhe?
ビオイ・カサレス(アドルフォ・ビオイ=カサーレス)
シルビーナ・オカンポ(Silvina Ocampo)
カルロス・マストロナルディ(Carlos Mastronardi)
フリオ・マリナ・イ・ベディア?Julio marina y bedea?
 
ビオイ=カサーレスとは「ドン・イシドロ・パロディの六つの難事件」を合作。
またウーゴ・サンチャゴの映画「侵入」等で共同脚本も
 
・他作家3名
ホセ・ビアンゴ(Jose Bianco)「スル(スール/Sur)」の編集も務める
シグフリド・ラダエリ(Sigfrido  Radaelli)…編集の雑誌にも映画評を投稿していたとか
カルロス・ベガ(Carlos Vega)…編集〃
 
・本
ボルヘスと映画 エドガルド・コサリンスキー
|
ボルヘスと映画」
編:エドガルド・コサリンスキー(Edgardo Cozarinsky)。
「Borges y el cine」。英題「Borges in/and/on film」
ボルヘスによる1931年~1944年の映画批評を集めた本。
1931年~から刊行されていた文芸雑誌「スル(スール/Sur)」で発表された分のみ。
この雑誌はビクトリア・オカンポ(Victoria Ocampo)がアルゼンチンで創刊。ホセ・オルテガ・イ・ガセット等が支援。
コサリンスキーに聞いたところによると他雑誌で発表していた分は知らなかったそうで取りこぼしてしまったとか。
またコザリンスキーは映画監督としても活躍。
ボルヘス「エル・アレフ(アレフ)」に収録された「戦士と捕虜(戦士と囚われの女の物語)」を1994年に「戦士と捕虜(Guerreros y cautivas)」として映画化

ボルヘスと映画(Borges y el cine)」で批評していた主な映画11本

救いを求むる人々 ジョセフ・フォン・スタンバーグ
暗黒街(アンダーワールド) ジョセフ・フォン・スタンバーグ
非常線(ドラグネット) ジョセフ・フォン・スタンバーグ
紐育の波止場 ジョセフ・フォン・スタンバーグ
黄金狂時代 チャールズ・チャップリン
カラマーゾフの兄弟(カラマゾフの兄弟) フョードル・オツェプ(フョードル・オツェップ)他
ロッコ ジョセフ・フォン・スタンバーグ
キングコング メリアン・C・クーパー他…アーネスト・B・シュードザック/ウィリス・オブライエン/デヴィッド・O・セルズニック
地上の囚人(大地の囚人/地球の囚人) マリオ・ソフィチ(マリオ・ソッフィーチ/マリオ・ソッフィチ)
ラ・フガ ルイス・サスラフスキー
 
市民ケーン オーソン・ウェルズ

●関連記事
ベルナルド・ベルトルッチ「伝奇集」収録「裏切り者と英雄のテーマ」「暗殺のオペラ(蜘蛛の策略)」として映画化
マスード・キミアイ「ブロディーの報告書」「じゃま者(侵入者/La intrusa)」「ガザル(غزل/Ghazal)」
アレックス・コックス「伝奇集」「死とコンパス」「デス&コンパス」