「大学は出たけれど(小津安二郎)」より
●代表作
映画監督「血槍無双」等
TVドラマ監督、映画監督 等で活躍した佐々木康が語った・影響を受けた・好きだった映画。
大学は出たけれど 小津安二郎…11分現存。コメディ、就職活動、庶民の日常
※曲芸団(ヴァリエテ) E.A.デュポン/カール・フロイント…サーカス、恋愛、三角関係
絢爛たる殺人 ミッチェル・ライゼン…昭和9年(1934年)。「魔の口紅」着想元。ミステリー、舞台裏、ミュージカル、レビューショー
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※デュポン「曲芸団(ヴァリエテ)」はドイツ映画。1925年。日本では昭和2年(1927年)公開。
佐々木によれば法政大学の映画研究会における第一回目の合評会で熱弁を振るったそうです。
またサーカスへのこだわりは「旗本退屈男 謎の南蛮太鼓」等で描写
※パプスト「心のやすらぎ(心の不思議)」は「青蛾」のベースの一つだとか
※「暁に祈る」における戦地での命がけの撮影や帰国後の日本国民の様子、「何處へ(何処へ)」で見た街の光景についても振り返る
・助監督として学んだ主な作品
※その夜の妻 小津安二郎…煙草を吸う場面の演技指導で三日も徹夜したとか
結婚学入門 小津安二郎…栗島すみ子。行方不明。徹夜続きで小津もスタッフも意識が朦朧とし小道具の位置が分からなくなり揉めたそうな
東京の魔術 清水宏…行方不明。清水が岩田祐吉のお百姓のようにたくましい手でも芝居の流れを壊さない演技指導・演出を工夫し清水を天才だと思ったとか
東洋の母 清水宏…行方不明。アフレコに関するトラブルについて
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※「その夜の妻」等で助監督として小津の下で学んだ佐々木は小津の徹夜好き、時間を食って俳優に念の入った細かな演技をつけていたこと等について振り返っていました。
また事前にコンテを作り込む小津と清水宏の直前まで台本を渡さず自然な演技を引き出そうとする映画作りの違いについても言及
・「そよかぜ(リンゴの唄)」「はたちの青春」以降
※ヴェラクルス ロバート・アルドリッチ…西部劇、抗争、犯罪アクション。ゲーリー・クーパー(ゲイリー・クーパー)が馬に乗る。バート・ランカスターの悪役について当時の時代劇には中々登場しないタイプの人間として
真昼の決闘 フレッド・ジンネマン…西部劇、保安官、孤独、銃撃戦。クーパーが馬車に乗る、馬にまたがる、しがみつく映画。上に同じ
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※西部劇については「黒部谷の大剣客」等で意識
※加藤泰は「黄金の伏魔殿」等で脚本。
佐々木が体調不良の時に「浪人八景」の監督を代わる。
加藤の才能について高く評価していました。
また加藤が脚本に参加していた1970年のTVドラマ「大岡越前」第一部でも16話のみ監督
・小説3本
寝楽(寝園) 横光利一…「青蛾」のベース
蛾はどこにでもゐる(蛾はどこにでもいる) 横光利一…上に同じ
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・雑誌
蒲田…蒲田映画後援の雑誌
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