「新世紀エヴァンゲリオン」-作画紹介②

●その他作画監督2名

河口俊夫(川口俊夫)

11話
 
スタジオジブリをはじめProduction I.G等で活躍する腕利き。
リアル系も得意。
庵野作品には王立宇宙軍 オネアミスの翼Air/まごころを、君にの原画にも参加。
今回は庵野ジブリ以前風の谷のナウシカジブリ以降火垂るの墓に参加していた縁で依頼したのでしょうか。
紅の豚で共に作画を担った賀川愛をはじめとする原画チームを率い参加。
アスカたちが表情豊かでイキイキしており、アクションや美術造形も流石ジブリ
...何ですがジブリテイスト満載で描いたため他のキャラ作画と比べかなり浮いた印象に。
クオリティそのものは良いんですよ。
ただ顔が誰だお前はってだけで
眼の描き方からして大分違います。
オマケに川口のクセなのかレイのアゴしゃくれていました。
他キャラデザ&総作監もっけ、原画天空の城ラピュタ」「魔女の宅急便等。
湖川友謙(花畑まう/為家尽人)

17話
22話
 
メダロットでも紹介。
かつて伝説巨神イデオン破滅的な死闘と皆殺しを極めた男。
それに惚れてしまった庵野が今作の作画に湖川も呼ぶ。
アニメーターとして宇宙戦艦ヤマトの原画&作画、機動戦士ガンダムの原画と3大アニメブームに関わった凄い人。
各話原画にもちょくちょく参加し、芝居がしっかり効いた作画でベテランの貫録を見せ...るどころか異質さの方が際立ってしまい作中屈指の浮きっぷり。
この回はそこまで湖川テイストではないのですが、上を向いた表情や横顔で独特のアオリを炸裂。
流石の庵野「アレー?」と思ったのか22話はビデオフォーマット版でがっつり修正される模様(一瞬リツコの横顔がイデオンぽくなる部分は修正し忘れたのかあえて残したのか)。
まあ今回は全然作画良いですよ。キャラデザに寄せ柔らかさも出している方です。
テッカマンブレードの無法地帯に比べれば。

●原画陣概要

エヴァは非常に豪華なメンバーが集まった作品でもありますが、「ナディア」で作画を手掛けていたメンツが原画として裏方で作画を支えたり、腕利きのアクションアニメーターが一瞬の躍動にすべてを叩き込むアクションを随所で見せたり。
前半の予算が許す限りブチかましまくる面々、後半の余裕が無い中どうにかこうにかごまかしまくり模索する面々、劇場版の解放下で大暴れした面々。
●原画陣49名一覧
磯光雄(小田川幹雄)

1話原画
 
日本を代表する最強アニメーターの一人。
徹底的にリアリティある作画にこだわり、特にブクブクと泡立つように物体を吹き飛ばす「磯爆発」が必殺武器。
今回は脚本・設定補をはじめ原画マンとして様々なアクション場面で活躍。
1話の国連軍と使徒の戦闘、19話の初号機の覚醒、ビデオフォーマット版21話、Air/まごころを、君にの量産機との壮絶な死闘等々。
後に監督としても成功する磯ですが、その片鱗が伺える13話の脚本回は必見。
岡村天斎(岡村豊)

Air/まごころを、君に25話相当原画
 
幅広い仕事をこなせるマルチアニメーター。
今回は主に黄瀬作画回の演出&絵コンテで活躍。
原画マンとしてもかなりのもので18話をはじめ特にAir/まごころを、君にでは“大復活劇”の一役を担う。
他監督DARKER THAN BLACK(ダーカーザンブラック)」「メダロット等。

8話原画
 
NINKU-忍空でも紹介。
可愛い女の子を動かすことにかけても職人的技量を見せる。
見られることに抵抗なく感情を露わにしない者、見せてやっても良いが恥じらいがあるので見た奴全員引っぱたく感情豊かな者。
レイのブラジャーからアスカのスカートまで動かしていました
渡部圭祐

9話原画
 
スタジオZ出身の金田伊功フォロワー。
今回の仕事は本当に一瞬の出来事ですが中村、増尾たちと連携し「伝説の62秒」を描く。
他キャラデザ及び総作監星界の紋章」「星界の戦旗、作画&原画ガイキング等。

9話原画
 
カウボーイビバップ等でも紹介。
今作での仕事は少ないですが、9話のユニゾンライダーキック回で得意の格闘アクションを披露。
増尾昭一

9話原画
 
ナディア原画組。
今作では演出及び原画マンとして活躍し爆発場面で職人振りを見せる。
Air/まごころを、君に原画、ビデオフォーマット版21、23話原画、「新劇場版」シリーズでは原画及び特技監督を務める。
小倉陳利

9話原画
 
OHプロダクション出身。GAINAXProduction I.G.等で活躍。
コミカルからスプラッターまで幅広く出来る腕利きの一人。
今回は9話・16話のアスカの愉快な場面、Air/まごころを、君に原画では“復活”からの地獄のような大立ち回りを原画陣と共に担う。
他作画彼氏彼女の事情、作画&原画フリクリ等。
橋本敬史

7話原画
 
じゃんぐるじむ出身、タツノコをはじめ様々な現場で活躍するエフェクト(特殊効果)名人。
磯光雄フォロワーの爆破好き。
今回は爆発こそしませんでしたが、爆発寸前の暴走を止めるために走り接近する場面等を担当。
蒸気が漏れる瞬間の緊張。
総作監モノノ怪、原画ハウルの動く城等。

 
吉田健一(キャラデザ&作画「OVERMANキングゲイナー交響詩篇エウレカセブン等)、
 
江口寿志(原画ドラゴンボールシリーズ、原画&作画妄想代理人等)、
 
門智昭(かどともあき(無限のリヴァイアス」「MADLAX マドラックス等)、
 
牧孝雄(作画ゼーガペイン、レイアウト設計&作補&原画魔法少女まどか☆マギカ等)、
 
佐々木守(MASTERキートン、絵コンテ&原画&作画妄想代理人等)、
 
山口賢一(作画攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX、演出・作画・原画魔法少女隊アルス等)、
 
西田美弥子(作画さよなら絶望先生シリーズ、キャラデザ&総作監虹色デイズ等)、
 
清水恵子(共同キャラデザ及び作画英國戀物語エマシリーズ、作画「タッチ」等)、
 
二村秀樹(「THE 八犬伝等)、
松原秀典

8話原画
 
ナディア作画組。
今回は原画として作画を支援する形で参加。
「序」「破」作画にも参加。

15話原画
 
ナディア作画組。
今回は本編からビデオフォーマット版22、23、24、25、26話の原画を手掛ける。
Air/まごころを、君にでは26話相当の作画にも参加。「序」「破」「Q」until You come to me.原画にも。

後藤圭二(キャラデザ及び作画機動戦艦ナデシコゲートキーパーズ等)、
 
木崎文智(作画攻殻機動隊 SAC」、監督バジリスク甲賀忍法帖~」等)、
 
鴨川浩(原画「カウボービビバップコードギアス 反逆のルルーシュシリーズ等)、
 
水村良男(エスパー魔美、デザインワークス及びアクション作画弱虫ペダルシリーズ等)、
 
神戸洋行(監督俺の妹がこんなに可愛いわけがないシリーズ等)、
 
大久保宏(作画及び原画地球少女アルジュナ」「ノエイン等)、
 
高岡希一(めぞん一刻機動警察パトレイバー等)、
 
鷲田敏弥(ノエイン、共同作画HELLSING(ところともかず)等)、
 
関口雅浩(フルーツバスケット」「Serial experiments lain(シリアルエクスペリメンツレイン)等)、
 
丹澤学(作画シティーハンター91」「ぼくの地球を守って等)、
 
野田武広(原画「ものけ姫」「紅の豚シト新生Air/まごころを、君に等)、
村木靖

Air/まごころを、君に25話相当原画
 
板野一郎に認められたアニメーターの一人。
師匠譲りのミサイルの軌道、板野以上のエフェクトの巧みさを持つ。
本編をはじめAir/まごころを、君にではミサイルを空中に舞いながら避けていく場面等を担当。
他絵コンテ・原画・特技監督交響詩篇エウレカセブンシリーズ等、メカ総作監デュアル!ぱられルンルン物語等。
福岡英典

26話原画
 
主に原画マンとして活躍するアニメーター。
今回はTV版の超展開状態なクライマックスにおいて伝説となった「学園エヴァの原画を担当。
Air/まごころを、君に原画にも。
他原画交響詩篇エウレカセブン、キーアニメーター鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST等。

中山勝一(15話作監補、シト新生原画、ビデオフォーマット版原画、「破」「Q」副監督)、
 
嶋津郁雄(ゲーム作画新世紀エヴァンゲリオン(セガサターン)等)、
 
桑名郁朗(綾波育成計画原画、「破」原画)、
 
森岡英行(Air/まごころを、君に原画)、
 
 
谷津美弥子(シト新生」「Air/まごころを、君に原画)、
 
伊藤岳史(ビデオフォーマット版、Air/まごころを、君に原画)、
 
 
高木弘樹(ゲームゲストキャラデザ「2nd Impression」)、
 
菅野宏紀(ビデオフォーマット版原画)、
 
工原しげき(工原茂樹(シト新生原画)、
 
古川尚哉(ビデオフォーマット版作画補佐、Air/まごころを、君に」「鋼鉄のガールフレンド原画)、
 
入江健司(Air/まごころを、君に原画)、
 
砂田茂樹(ビデオフォーマット版原画、Air/まごころを、君に鋼鉄のガールフレンド原画)、
 
神村靖宏(後にグラウンドワークス社長に就任)、

26話原画
 
ナディアから引き続き監督にしてすべての元凶
2話から原画を手掛けアニメーターとしてはキッチリ仕事をこなす。
26話でいきなりペーパーアニメ(演出という名の手抜き)を始めたのもコイツの仕業です(誉め言葉)。
シト新生共同作画&原画、Air/まごころを、君に26話相当共同作画&原画、「新劇場版」シリーズ原画にも参加。
ですが監督としては「ナディア」同様に飛ばしすぎて後半は予算が尽きたそうで終盤は止め絵が多くなるものの演出、雰囲気(その場のノリ)でどうにか乗り切る。
予告が絵コンテになったりしたのも大体この人のせいです。
激務のあまり病気になった庵野は最終2話にて本来予定していた展開をやる余裕が無いので投げっぱなし戦法を敢行
視聴者は呆然となり、ある者は怒り狂い、ある訓練されたファンは「これが人類ポカン計画(人類補完計画)ですか」とか「まーた庵野か」と慣れてしまった模様。
庵野本人も「人気出て映画化決まったら本気出すわ」といういい加減な感じでその後、人気が出てしまい映画化決定。
一部描き直したTV版の総集編、本来予定されていた25話・26話相当のエピソードを劇場版として予算と枚数をたっぷりかけ話も作画も怒涛のクライマックスへ。