中には、原題よりも魅力的なタイトルで見たいと思ったという方々もいるかと思います。
その上で「いくら何でもそりゃねえだろ」とか「苦労して考えた末がそれなの?」とか「これは酷い」と思わざる負えないような作品のほんの一部をまとめたものです。
選考理由としてどうしても作品のネタバレになってしまうため、それでも構わないという人だけお読み下さい。
あまりに酷い名前で敬遠したとか、食指が動かなかったとか、題名のせいで損をしている作品もあるのです。
そういうことに対し、このページは怒り狂い罵詈雑言まみれな部分もあるので、先に謝っておきます。本当に申し訳ありません。
質問、御意見等をいただければ大変ありがたいです。
●最初の10本+8本
クール・ハンド・ルーク
Cool Hand Luke
同じローゼンバーグ「愛と銃弾(Love and Bullets)」は「殺人のはらわた 愛人とともに雪のアルプス逃避行」だの「チャールズ・ブロンソン-愛と銃弾」だのいい加減。
イチイチ俳優の名前を付けなくても分かりますんで。うっとおしいわっ!!!
※2018年6月1日追記:「じゃあテメエのベスト・オブ邦題も晒してみろよ」というコメントをいただき「え?やっていいんですか?」というワケで自分なりに「こういう題名の方がいいんじゃない?」ということも殴り書くこととなりました。
「センスも無えクセに他人の批判何てすんじゃねえ!」と思う方もいるかと思います。
その時はガンガン意見をよせて貰えると大変助かります。
より良い邦題・本当に役に立つ・作品に相応しい邦題を考えるためにも是非とも皆さんの力をお貸しいただければ幸いです。
このリストは原題あるいは翻訳→邦題で表記していき、私としては「原題あるいは翻訳」をそのまま邦題にした方が無難なのではないかと考えています。
むしろ私が超訳して余計変な題名を付ける方が迷惑なんじゃないかとも思ったのですが「おまえの考えも言え」と言われたので頑張ろうかと思います。
というわけで刑務所が舞台かつ権力者共にささやかかつ爽やかな抵抗を続ける様から「爽快なる抵抗」とか「囚人クール・ハンド・ルーク」なんて題名はどうでしょう?ダメでしょうか?
沼地の子供たち(レ・アンファン・ドゥ・マレ)
Les Enfants du marais
美しい自然と沼地の住人たちの生活を描いた作品。
原題の「沼地の子供たち」は、大人になってしまった人々が子供時代、あの頃を回想していく様子を表しているのでしょう。
ぶっちゃけ「クリクリ」はそんな出てきません。
付けるとしたらそのまま「沼地の子供たち」でいいと思います。
検察側の証人(ウィットネス・フォア・ザ・プロセクション)
Witness for the Prosecution
法廷ミステリーもの。
原題の意味は「検察側の証人」。依頼を受けた弁護士が裁判所において殺人事件とその裏にある謎に迫っていくユーモアに満ちた作品です。
元の題名が長すぎるので短く分かり易くしよう…というのは分かりますよ。
ただ「情婦」じゃ何の映画だかさっぱりです。
●ここからネタバレ
というか、何の恨みがあって愛人を情婦呼ばわりするのか。
そもそも情婦的立場の女性が複数出てくるのでかえって混乱を招きます。
せっかくアガサ・クリスティーの原作小説の邦題が「検察側の証人」だったんですから、そこで統一した方が良かったと思うのですが。
この映画もその題名のままで良いと思います。
ちなみに
同じワイルダー「昼下りの恋(Love in the Afternoon)」は「昼下りの情事」でやらしい映画みたいな印象に。
※チャック・ノリスが暴れまわる映画ではありません。
ちなみに
ミッシング・イン・アクション(Missing in Action)
触れられざる者たち(アントゥシャーブラ)
Intouchables
コミカルかつ暖かい作品。原題の意味は「触れられざる者たち」。
肉体に障害を抱えた老人、五体満足ながら何かに満たされない若者。そんな接点のない、触れ合わないはずの二人が出会い共に成長していく。
けっして元ボクサーと不良少年が師弟関係を結び最強の格闘家を目指すとか、筋肉モリモリのファイターたちがコンビを組みド派手に戦うアクションとかそういう映画ではありません。
「ふたり」なのはいいですよ。でも何が「最強」なんでしょうか。
「最高のふたり」とかでも良かったと思うんですが。
鉄十字章(クロス・オブ・アイアン)
Cross of Iron
壮絶な戦争アクション。
原題「鉄十字章」は第二次大戦時下のドイツ軍が戦功を立てた者に与えた勲章の種類の一つ。
それをめぐって仲間同士であるはずの上官と部下がいがみ合い、対立し、殺し合いにまで発展してしまう。
いや内容は確かに戦争ですよ、物凄くヴァイオレンスな映画ですよ。
でも「はらわたをぶちまける」とかはしません。もっとえぐい内面、えっぐい心理、描写なのですから。
一番の問題は、この映画だけならともかく「はらわた」という題名をホラー映画とか別のジャンルにも乱雑につけている連中全員に責任があったりします。
そうやってはらわた=ホラー映画だという固定観念・勘違いをしてしまうのです。
何でもかんでも「はらわた」とテキトーな邦題付け腐りやがった連中はあの世で腸引きずり出されてもう2,3回くたばりさらせ。
同じペキンパー「ワイルドバンチ」がそのままなら今作も「クロス・オブ・アイアン」で良いじゃないですか!
ちなみに
同じペキンパー「生かしちゃおけねえ連れ(The Deadly Companions)」は「荒野のガンマン」なのか「ワイルドリベンジ-復讐の荒野」なのかなんなんでしょうね。
監督名もサム・ペキンパーなのかサム・ピキンファーなのか。
確かに西部劇は荒野を舞台にした作品が多いです。だからって何でもかんでも「荒野」を付けりゃいいってもんじゃねえ。
そのまま「デッドリー・コンパニオン」で…と思ったら日本だとコンパニオン=接客みたいな感じであーもう面倒くせえな日本語(八つ当たり)。
もうそのままの翻訳で「生かしちゃおけねえ奴ら」とかじゃダメでしょうかどうでしょうか。
龍門客桟(龍門客棧)
龍門客棧
破格の武侠映画。
原題「龍門客棧(りゅうもんきゃくせん)」は荒野にある宿屋で、非道の限りを尽くす悪漢どもを打倒すべく腕利きの侠客たちが集う拠点でもあるのです。
公開当時、アジア各国で興行収入を塗り替えるほどの大ヒットを記録したこの映画。
ところが日本では「血斗竜門の宿」という邦題で公開されパッとしないまま終わり、その後リーの「燃えよドラゴン」が日本で爆発的にヒットするとそれに便乗する形で何故かキン・フーの本作に「残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿」の題を付け再上映。
その後「龍門客桟」の名でVHSが発売。これでDVDは…何故か「残酷ドラゴン」の名前に戻って発売されました。画質と一緒に邦題も修復しろよ…。
一つの作品に幾つもやりたい放題なタイトルを当て付ける。
配給側の宣伝能力の低さ・無能さを棚に上げて。「龍門客棧(りゅうもんきゃくせん)」のままでいいです。
ちなみに
イタリアン・ジョブ
THE ITALIAN JOB
ピーター・コリンソン及びF・ゲイリー・グレイ(コリンソンのリメイク)による犯罪映画。
原題「イタリア人の仕事」に込められた意味は、女好きでよく歌いよく食べるのは好きだが働くのは苦手なんじゃないの?
とレッテルを貼られたイタリア人(実際色欲魔や時間にルーズすぎる人間や第二次大戦でやらかした奴が多いので馬鹿にされるのも分からなくもないのですが)への皮肉みたいな言葉です。
そんな馬鹿にされている連中がミニ・クーパーで華麗なドライビング・テクニックを披露し、狭い路地を縦横無尽に駆け抜け、伝説の大泥棒アルセーヌ・ルパンの如くスタイリッシュに得物を奪い取る…様を見せつけるアクション映画でもあるんですよ。
…が、それにこ~んな可愛らしく間の抜けた題名をどうして付けてしまうのか。
いや車は確かにちっこくて可愛いけども。あと安易に「大作戦」とか付けるのやめませんか?
つうか旧作・リメイク揃って一緒の題名にしてんじゃねえよっ!いつもは旧作もリメイクもまったく違う名前にするクセに!こういう時ばっかりっ!
そのまま「イタリア人の仕事」とか「イタリアン・ジョブ」で十分イケると思うのですが。
ハディーサの戦い
BATTLE FOR HADITHA
↓
ハート・アタッカー ニック・ブルームフィールド
イラクで引き起こされたハディーサの虐殺を克明に描いた戦争映画。
地雷が引き金となり悲劇が積み重ねられる…力作に「ハート・アタッカー」という便乗パチモン邦題をつけやがったタマナシ腰抜け野郎は何処のどいつだあっー!?「ハディーサの戦い」の方が先なんじゃおんどれーッ!!!出てきやがれッー!!!
誰が何と言おうと「バトル・フォア・ハディーサ(BATTLE FOR HADITHA)」は「ハディーサの戦い」で。
グラウンドホッグの日(グラウンドホッグデー)
Groundhog Day
ユーモラスな展開・SF的な体験を通して幸福というものを見つめ直すような作品。
原題の「グラウンドホッグデー」とは冬眠から目覚めたウッドチャック(グラウンドホッグ)の行動によって春の訪れを占うアメリカの伝統行事。
でも日本人にどうやってそれを伝えればいいだろう?劇中でその日と作品そのものを絡めるような…。
そうだ!「恋」とか付けりゃ伝わるんじゃね!?
伝わんねえよバーカッ!!!!!
タイムループが題材ですから原題とかけて「繰り返される日」あたりでいいのではないでしょうか。
ソッチの方がうんと分かりやすいはずです。
だいたい本編はぶっちゃけ恋とかそんな関係ないですし。「恋」だの「愛」だの「青春」だのつけりゃ売れるとでも思ってんのか 脳 味 噌 お 花 畑 野 郎 及び ア マ ども。
そもそも「デジャ・ブ」からして「デジャ・ “ヴュ” 」 だ ろ う がああああああっ!!!
ちなみに
同じライミス「ナショナル・ランプーンズ・バケーション(NATIONAL LAMPOON'S VACATION)」は悲惨なブラック・コメディなのに「ホリデーロード4000キロ」と能天気な題名にされました。
この作品は元々「ナショナル・ランプーン(NATIONAL LAMPOON)」という小説シリーズを映画化した「ナショナル・ランプーンズ●●(NATIONAL LAMPOON'S ●●)」ものの派生「ヴァケーション(VACATION)」シリーズの1本。
日本では他にも今作の続編である、
エイミー・ヘッカリング「ナショナル・ランプーンズ・ヨーロピアン・ヴァケーション」 、
ジェレマイア・チェチック(ジェレマイア・S・チェチック)「ナショナル・ランプーンズ クリスマス・バケーション(ナショナル・ランプーン クリスマス・バケーション)」が公開されているようです。
正しき者を入れよ(レット・ザ・ライト・ワン・イン)
Let the Right One In
によるホラーであり、スリラーであり、愛も絡めた映画。
●ここからネタバレ
原題の「正しき者を招き入れよ」とは吸血鬼が誰かに招かれなければその者の家に入れない…という故事に由来するものだとか。
いじめといった苦しい現実に襲われるオスカー、そんな彼に希望の光をもたらすエリ。オスカーにとっての正しき人、自分を正し導いてくれる存在のエリ。
彼…いやオスカーには「ぼくにとってのエリ」という解釈も悪くないのかも知れない。そこまではケチを付けられるような題名ではありません。
問題は副題の「200歳の少女」という超絶ネタバレな上にエリその者は性別がハッキリしていないということを理解していない馬鹿が付けたサブタイトルのせいでファッ●ンサノバ●ッチ極まりない。
賠償金請求されても文句言えないレベルです。
クソみたいな副題を考える暇があったら、もっと本題を工夫してくださいよと。
「ぼくのエリ」ならそれはそれでいいと思いますし、オスカーとの関係を強調するなら「エリとオスカー」みたいに何のひねりもないですがひねりすぎて捻くれた題名よりはいいんじゃないかと。
なお、本編は日本側が勝手にモザイク加工までしている模様。
どうして?卑猥だから?
卑猥なのはモザイク修正を命じた&実行した連中の脳味噌だろうが。
でも流石に次作はちゃんとした邦題になりますよね?
ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(Tinker,Tailor,Soldier,Spy)
スパイ・スリラーもの。
原題はイギリスの古い童謡「マザー・グース」における「ティンカー、テイラー、ソルジャー、セイラー(射手、仕立て屋、兵士、水兵)」という当時の子供が思い描く将来の職業たちに現代のスパイを入れひねりを加えたもの。
確かに本編は通称「サーカス」と呼ばれるスパイ組織だし裏切者を見つけ出せという感じですよ。
でも映画を見ないと今作における「サーカス」の意味が分からない。
未見の人間には「スーツ着てサーカス?どんな曲芸やんの?」と勘違いして変な先入観を持たれますし。
じゃあ「裏切りのスパイ」でいいじゃないですかと。
そもそも原作がジョン・ル・カレによる伝説的かつ壮大なスパイものな上に日本でも「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の名で発売。映画の原題もそれに合わせているワケですから邦題もそのままでいけたのではないでしょうか。
でも題名が長い?日本人にイギリスの童謡なんて分かるわけねえって?
じゃあ主人公の名前「ジョージ・スマイリー」とかでいいじゃないですか。
●迷った作品1本
ビッグ・ヒーロー6
BIG HERO6
この作品はですね、ひじょ~に複雑な心境です。
このヒーローとして闘う6人の少年・少女・ロボットたちの活躍を描くアクション映画は最高だったと。それは確かなことです。
え?彼等は誰かって?私にとってはそのまま「ビッグ・ヒーロー6(BIG HERO6)」です!
でも原題通り「6」だと何かの続編と勘違いされるかも知れませんね。
だったら数字を意味する「6」から固有名詞的な「シックス」にするなりなんなり…それほど脳味噌を無駄遣いしなくても済みますよね~。
ジョージ・ロイ・ヒル「スローターハウス」とかはそのまま「スローターハウス5(ファイブ)」でしたけどねっ!
→でも日本の客にヒーロー路線で売れるか不安→そうだ!「ベイマックスの愛らしいフォルムで攻めよう!ハートフルな作品と見せかけて実は…」戦法で行こう!
わかります。入りやすい入り口を作るのは難しいですが重要なことです。
→じゃあ勢いで劇中のセリフやクライマックスを「BIG HERO6」から「ベイマックス」にイジッても問題ないな!
いいわけねえだろ。
かつて!
いつかオリジナル版のソフトが出るだろうと、かたくなに待つしかなかった時代から何十年も進んだのに!
DVD、ブルーレイという視聴、インターネットという情報取得手段が充実したこのご時世に!
未だに、いぃまぁだぁにぃ海外のオリジナルの演出意図を見れない状況にしやがるだなんてっ!
挙句には原語の音源まで削り取るとは。
絶対に許さんぞ貴様らあ!
●「②」へ
●「yahooブログ」で以前いただいた指摘コメント
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重ね重ね、誠にありがとうございました。
2017/3/6(月) 午前 7:31
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