いつもの見知らぬ男たち
I soliti ignoti
マリオ・モニチェリは、人情味やエロティックなやり取りが特徴的なイタリア式コメディの第一人者として、戦前から60本以上の作品を監督した作家です。
また、ピエトロ・ジェルミやロバート・Z・レナードといったコメディの名手として活躍した監督達にも100本近いシナリオを提供した脚本家としての側面も持っています。
基本はコメディですが、犯罪やサスペンス、戦争、ロードムービーと幅広いジャンルを包括しています。
この作品は、そんなモニチェリの最高傑作の一つとして今日でも語られる映画の一つです。
男達の狂騒・それに巻き込み巻き込まれな美女たちの夢の様な一時を味わえるとにかく幸せな映画!
舞台はローマ、出てくる人々の生活は貧乏だけど、心は誰よりも豊かで温かみの或る人々ばかり。
ある家に強盗を企てた男達の計画が、クライマックスで怒涛の如く崩壊していく様は笑うしかありません。
冒頭から車上荒しを図る男達のシーンからはじまり、喋って喋って喋り、計画を練って練って練るんですけど、ところどころ歯車がブッ壊れたり抜けたりしてどんどんおかしな方向に流れていく。
音楽もストーリーのリズムも最高で、映画を彩るキャスティングも豪華。
華を添えるのはクラウディア・カルディナーレ!
マルチェロ・マストロヤンニやヴィットリオ・ガスマン、イタリアの喜劇王トトを魅了し堕落させ、勇気づける。
愛する女性第一の紳士的な野郎ばっかりです。
本作の女性陣は脱ぐ事をしませんが、数十年後の彼らを描いた続編とも言える「私の友だち第二部(Amici miei atto II)」やナンニ・ロイの「私の友だち第三部(Amici miei atto III)」は遠慮なくヤリたい放題やっています。
他にも続編としてナンニ・ロイ監督で作られた「Audace colpo dei soliti ignoti」はマストロヤンニ以外のキャストが全員集結。
それとルイ・マルがアメリカ映画「クラッカーズ・警報システムを突破せよ!(Crackers)」としてリメイクしたりしています。
刑務所で刑期を済ませたり、ボクシングに名乗りでるも一瞬でKOされたり、恋人たちとのやり取り、扉を開けた瞬間になだれ込む人の洪水、窓を“盗み見る”場面、スリの流れ作業、銀行のおっちゃんの挙動、なぐりあいパーティー、灰皿による一撃、思わぬ事故、空き瓶の山で滑るシーンと次から次へ愉快なシーンに出くわします。
窓を盗み見るシーンで洗濯物で遮られたり、赤ん坊のアップが映し出された日にゃつい噴出してしまいました。
主人公が女性の唇と鍵を盗むシーンはえげつない。
ラスト20分の緊張、その緊張がプツンと切れまくる爆笑劇。
いつ屋根が崩れるとも解らない場所で夫婦喧嘩に耐える姿、穴掘って噴水、スライディング消灯、猫をブン投げて回避、ガス爆発でぜーんぶおじゃん。
仮に目的のものが無くとも、美味しい飯さえ食えれば満足のじいさんもいたりする。
緊迫感と呑気さの入り乱れるシーンの連続でした。
昇る朝日、「今までの努力は何だったんだ」と空を、街中を虚しく見つめる表情が哀愁たっぷりです。
★★★★(傑作)
マリオ・モニチェリは、人情味やエロティックなやり取りが特徴的なイタリア式コメディの第一人者として、戦前から60本以上の作品を監督した作家です。
また、ピエトロ・ジェルミやロバート・Z・レナードといったコメディの名手として活躍した監督達にも100本近いシナリオを提供した脚本家としての側面も持っています。
基本はコメディですが、犯罪やサスペンス、戦争、ロードムービーと幅広いジャンルを包括しています。
この作品は、そんなモニチェリの最高傑作の一つとして今日でも語られる映画の一つです。
男達の狂騒・それに巻き込み巻き込まれな美女たちの夢の様な一時を味わえるとにかく幸せな映画!
舞台はローマ、出てくる人々の生活は貧乏だけど、心は誰よりも豊かで温かみの或る人々ばかり。
ある家に強盗を企てた男達の計画が、クライマックスで怒涛の如く崩壊していく様は笑うしかありません。
冒頭から車上荒しを図る男達のシーンからはじまり、喋って喋って喋り、計画を練って練って練るんですけど、ところどころ歯車がブッ壊れたり抜けたりしてどんどんおかしな方向に流れていく。
音楽もストーリーのリズムも最高で、映画を彩るキャスティングも豪華。
華を添えるのはクラウディア・カルディナーレ!
マルチェロ・マストロヤンニやヴィットリオ・ガスマン、イタリアの喜劇王トトを魅了し堕落させ、勇気づける。
愛する女性第一の紳士的な野郎ばっかりです。
本作の女性陣は脱ぐ事をしませんが、数十年後の彼らを描いた続編とも言える「私の友だち第二部(Amici miei atto II)」やナンニ・ロイの「私の友だち第三部(Amici miei atto III)」は遠慮なくヤリたい放題やっています。
「私の友だち第二部(Amici miei atto II)」
モニチェリの作品はイタリアで大ヒットしましたからねえ。リメイクや続編がいっぱい作られています。他にも続編としてナンニ・ロイ監督で作られた「Audace colpo dei soliti ignoti」はマストロヤンニ以外のキャストが全員集結。
それとルイ・マルがアメリカ映画「クラッカーズ・警報システムを突破せよ!(Crackers)」としてリメイクしたりしています。
刑務所で刑期を済ませたり、ボクシングに名乗りでるも一瞬でKOされたり、恋人たちとのやり取り、扉を開けた瞬間になだれ込む人の洪水、窓を“盗み見る”場面、スリの流れ作業、銀行のおっちゃんの挙動、なぐりあいパーティー、灰皿による一撃、思わぬ事故、空き瓶の山で滑るシーンと次から次へ愉快なシーンに出くわします。
窓を盗み見るシーンで洗濯物で遮られたり、赤ん坊のアップが映し出された日にゃつい噴出してしまいました。
主人公が女性の唇と鍵を盗むシーンはえげつない。
ラスト20分の緊張、その緊張がプツンと切れまくる爆笑劇。
いつ屋根が崩れるとも解らない場所で夫婦喧嘩に耐える姿、穴掘って噴水、スライディング消灯、猫をブン投げて回避、ガス爆発でぜーんぶおじゃん。
仮に目的のものが無くとも、美味しい飯さえ食えれば満足のじいさんもいたりする。
緊迫感と呑気さの入り乱れるシーンの連続でした。
昇る朝日、「今までの努力は何だったんだ」と空を、街中を虚しく見つめる表情が哀愁たっぷりです。