「運河」-ベルナルド・ベルトルッチの短編

運河
Il canale
 
ベルナルド・ベルトルッチは初期に「豚の死(La morte del maiale)」「ロープウェイ(La teleferica)」といった短編を撮っています。
この作品は、1966年当時のスエズ運河の様子を捉えたドキュメンタリー。

ベルトルッチ「革命前夜」「石油の道」「パートナー(分身)」の間に撮った作品で、ベルトリッチはこの後もオムニバス「愛と怒り」に収録された「臨終(Agonia)」を撮っています。

第三次・第四次中東戦争が翌年に始まる直前、このフィルムには1956年~57年にかけて起きた第二次中東戦争(スエズ危機)が治まった静けさを感じられます。人々で賑わう場所や、路地裏の静けさ。

しかし、運河を渡航する船を撮った映像がやけに不気味に見える。船に不気味なBGMまで被せるんだから意図的です。日本や他の国の船が、淡々と運河の中を進んで行く。ラストで街中から船の煙突部分を中心に遠ざかって行くカメラ。
翌年に再び始まる騒乱を、ベルトルッチなりに予見していたのかも知れません。