映画本 オススメベスト10

映画に関する本を何から読めばいいか・・・と迷ってる人向けのページです。

●オススメ10冊

 
 たかが映画じゃないか 山田宏一/和田誠
「映画を何から見れば良いか」と迷ってる方に送る1冊がコレ。
たかが映画、されど映画。ただ純粋に好きな映画・気になる映画について山田宏一和田誠がひたすら語りまくる楽しい本です。
スペースオペラスター・ウォーズや冒険活劇インディ・ジョーンズに対する二人の見解、ハワード・ホークスリオ・ブラボーといったの西部劇、アルフレッド・ヒッチコック等のサスペンス、「ジョルスン物語」といったミュージカル映画等よりどりみどり。


「映画となると話はどこからでも始まる」とともにメジャーからマイナーまであらゆる映画について3人が語り尽くす内容。
私もこの本を読んで映画にハマる&ブロークンハートされました。いえ、むしろダメージを受けるほどのインパクトあっての批評。
映画を読むのでも聞くのでもない。劇中で繰り返されるアクションを見て見て見まくってきた最強の男たちの夢の宴。
難点は、余りにマニアックすぎてTUTAYA辺りじゃ借りられない・何処行っても借りられないんじゃないかと思うような映画もある事ですが。
とにかく映画のワンシーンワンシーンを愛し、映画が見たい」という欲求に駆られます。文庫版は上・下版あり。
他は山田宏一との対談「映画は語る」、淀川と蓮實の一騎打ちならジャンル別に映画を網羅した「映画の快楽」もオススメ。

新編 美女と犯罪 山田宏一
フィルム・ノワール&女優論を極めるならこの本から。そんじょそこらの評論家の本とはワケが違います。
映画そのものを“女優”として捉える視点・山田のエロ親父ぶり(褒め言葉)も最高。
山田の本は他に「シネ・ブラボー」、映画コレクションのように延々とリストアップしていく楽しさ「果てしなきベスト・テン」等。

定本・ヒッチコック映画術・トリュフォー アルフレッド・ヒッチコック/フランソワ・トリュフォー
山田宏一蓮實重彦が訳した映画史上最高と言っても過言ではない1冊。
ヒッチコックが如何にして映画を作ってきたか・演出テクニック等を熱く語った内容。
本の分厚さを感じさせない、映画のような面白さが詰まっています。これから映画監督になりたい、漫画家、小説家、アニメーター…あらゆる夢を抱くすべての人間必読。
同書でも名を挙げたエリック・ロメール&クロード・シャブロルによるヒッチコックもオススメ。

シネクラブ時代 淀川長治/蓮實重彦/黒沢清/四方田犬彦/他
15人の評論家が様々な映画監督について語りまくる公演集。
トーク用のくだけた解説は大変取っ付きやすいです。

シネマの快楽 蓮實重彦/武満徹

蓮實重彦は文章が難解で苦手」という方にオススメする1冊。
内容も初心者向けでかなり読み易いものになっています。
そして作曲家・武満徹の映画に対する並々ならぬ情熱も爆発。

他に蓮實の入門書としてオススメなのが「映画長話」「映画からの解放(帰ってきた映画狂人」に再録)等。
蓮實に慣れてきた・もっと読みたいという方には「映画狂人シネマ事典」「映画狂人 最後に笑う」多大な精神的ダメージを被ること間違いなしの「映画狂人 シネマの煽動装置」辺りがオススメ。


私はいかにハリウッドで映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか ロジャー・コーマン
「B級映画の帝王」ことロジャー・コーマンによる自伝。
これから映画を撮りたいという総ての人必読の本。
低予算かつ短期間で数々の革新的な映画を手掛け、プロデューサーとしてジェームズ・キャメロンスティーヴン・スピルバーグなど数多の映画監督や俳優を世に送り出した才人コーマンを知る貴重な1冊。
コーマン無くして今のハリウッドは有りません。

監督ハワード・ホークスを語る ハワード・ホークス/ジム・マクブライド

翻訳は最悪・内容はどう書いても最高。アメリカを代表する映画監督ハワード・ホークスの豪快な映画人生を綴る1冊。
数々の傑作・名作・問題作を手掛け一貫して娯楽映画を撮り続けたホークス。成功も多ければ失敗も多い・でもクヨクヨしない、読めば誰もが幸せな気分になれます。
他に一人の監督から映画そのものを振り返る本はロベール・ブレッソン「シネマトグラフ覚書-映画監督のノート-」、ベルナール・エイゼンシッシニコラス・レイ-ある反逆者の肖像」がオススメ。

死ぬまでに観たい映画1001本 スティーヴン・ジェイ・シュナイダー
戦いは数だよ兄貴」という方にオススメなとっておき。
世界中の映画から選ばれた1001本。個人的には改訂前がオススメ。
1001本も見れねえよという方には当ブログ映画史的に重要な作品50本辺りがご参考になればありがたいです。

日本映画史100年 四方田犬彦
ブニュエルやアジア映画に精通した四方田が日本映画について詳細に書かれた一冊。
邦画について考えたい人はこの本と山田宏一「日本映画について私が学んだ二、三の事柄」を読むのがてっとり早いです。

●その他9冊

映画とは何か アンドレ・バザン
ヌーヴェルヴァーグもこの人なしでは誕生しなかった。
戦前の西部劇と戦後の“超西部劇”偉大なるすべての元凶。文庫版は上・下あり。

シネマトグラフ覚書-映画監督のノート- ロベール・ブレッソン
20世紀の始めに産まれ、世紀末にこの世を去っていった“シネマトグラフ”作家ブレッソン
役者ではなく人間そのものに拘り続け、あらゆる人工的なものを削ぎ続けた一人の詩人の自伝的作品。極端に言うと名言集。
一本の映画を撮ること自体が戦争に等しいという考えは、「映画は戦場だ」を著したサミュエル・フラーと何処か共通点があるのではないでしょうか。

視覚的人間―映画のドラマツルギー ベラ・バラージュ
サイレント映画が隆盛を極めていた時代に書かれた研究所。
映画を読むのではなく見ることを徹底的に追求した一冊です。

ル・シネマ ユセフ・イシャグプール

 映画史を簡単にまとめた入門・要点整理の参考にオススメの本。
正し邦題ではなく直訳があまりに多いですので、あくまで参考書です(「Jules et Jim」突然炎のごとくではなくそのままジュールとジムとなっていたり、ルイ・フイヤード「Les vampires」「吸血ギャング団(レ・ヴァンピール)」ではなく「吸血鬼」だったり)。

映画の教科書―どのように映画を読むか ジェイムズ・モナコ
これも様々な視点から映画を見ることについて書かれた本。
正し翻訳が酷いので御注意。

リリアン・ギッシュ自伝-映画とグリフィスと私 リリアン・ギッシュ/アン・ピンチョット
D.W.グリフィス(デヴィッド・ウォーク・グリフィス)とサイレント映画
膨大なページ数ですが、一人の女優の視点からサイレント映画~トーキー以降の一つの歴史を覗く1冊。
映画創世記に革命的な演出の数々で「映画の父」となり、同時に様々な物議もかもした映画監督の生き様。それを長年組んできたギッシュだからこそ見えてくる本当のグリフィス。

映画渡世・天の巻・地の巻 マキノ雅弘

娯楽映画を撮って撮って撮りまくったマキノが自身を振り返る一冊。
前篇「天の巻」、後篇「地の巻」の2冊で1冊。聞き手を務めるのは山田宏一&山根貞男

王になろうとした男 ジョン・ヒューストン

ハリウッド・メモワールの最高傑作と評される1冊。
エロール・フリンとの殴り合い、赤狩り(レッド・パージ)旋風が吹き荒れたハリウッド、冒険活劇小説を読むような面白さ。

面白い小説を見つけるために 小林信彦

 特に映画というワケじゃありませんが、とにかく読みたい小説を探しているという人は必読。映画評論も面白い小林信彦による渾身の1冊。
推理小説なら「地獄の読書録」もオススメ。